デジタルマーケティングという言葉を聞いたことはありますでしょうか?
最近、耳にすることが増えた言葉になりますが、「〜〜マーケティング」という言葉がとても多く、正確な内容までは知らない方も多いのではないでしょうか?
今回は、そのデジタルマーケティングについて、詳しく解説していきます。
さらに、似ている言葉でWEBマーケティングという言葉もありますので、それらの違いやデジタルマーケティングを行なっていく上で役に立つ情報等についてもお伝えしていきますので、ご参考にしていただければと思います。
目次
デジタルマーケティングとは?
デジタルマーケティングとは、オンライン上の様々なチャネルや顧客との接点を活用して、取得したデータを基に行うマーケティングになります。
昨今では、会社内でデジタルマーケティング専門の部署を作って、マーケティング対策を取る企業も多くなっておりますが、どのような流れで注目されるようになったのでしょうか?
順番に解説していきます。
大量の生産と消費の時代はマスマーケティング
大量の製品生産と消費を行なっていた時代は、主にマスマーケティングが主流となっておりました。
マスマーケティングは、マスメディアであるテレビや新聞、ラジオ、雑誌等のメディアを活用して、多くの顧客を対象に行うマーケティング手法になります。
マスマーケティングは、市場の多くをシェアしている製品・企業が行うのであれば有効的なマーケティングになりますが、その反面市場に様々な製品が並び顧客が選択できる状況になった1970年代以降は、マスマーケティングより、訴求する相手である顧客の志向や立場を考慮したマーケットセグメンテーションやターゲットマーケティングへトレンドが変わっていきました。
インターネットで行うWEBマーケティング
その後、1990年代頃からインターネットの普及率が上がってきて、顧客は自分自身で様々な情報を検索し入手することができるようになり、消費者に対してベネフィットや価値を提供することができるマーケティングへの需要が高まってきました。
その際に台頭してきましたのが、集客から、製品の紹介・販売というすべてのプロセスをオンライン上で完結できるWEBマーケティングです。
このWEBマーケティングでは、WEBサイトの閲覧数や訪問数、広告のコンバージョン率等の詳細なデータを確認ができ、マーケティング施作の分析や改善をすることが可能となりました。
WEBマーケティングについてはこちらをご覧ください。
技術革新とともに進化したデジタルマーケティング
WEBマーケティングや、その後のスマートフォンやIoTの普及も合間って、進化してできたのがデジタルマーケティングになります。
利用履歴や行動履歴等のデータを企業側で取得し、AIやビッグデータを活用することにより、ニーズを汲み取るデジタルマーケティングが可能となりました。
デジタルマーケティングとWEBマーケティングの違い
それでは、デジタルマーケティングとWEBマーケティングの違いは何なのでしょうか?
それぞれの特徴について解説をしていきます。
WEBマーケティング
WEBマーケティングは、その名の通りWEBを中心として行なっていくマーケティング手法で、特徴としてWEB内で完結できる点になります。
有名な施策でいくと、SEO対策やSNS運営、リスティング広告等のWEB広告、コンテンツ施策等です。
内容としては、WEB上で自社について・製品についての認知度を向上させ、サイトへの流入数を増やし、申し込みや購買に繋げるためのアクションをしてもらえるようにマーケティング活動を行なっていきます。
デジタルマーケティング
デジタルマーケティングでは、WEBだけでなく全てのオンラインで取得できるデータや顧客との接点(タッチポイント)を活用して行うマーケティング手法になります。
主なタッチポイントやデータについては、ブラウザやWEB、検索エンジン、メール、アプリ、SNS、ビッグデータ、クチコミのサイト、VR・AR、デジタルサイネージ、アクセス時の位置情報…と様々なものがございます。
WEBマーケティングでは扱えないデータやタッチポイントを活用できるため、顧客との関係地をより深く構築することができ、製品やブランディング、ファンの獲得を可能とするマーケティング手法となっております。
デジタルマーケティングの需要が高まっている理由
コロナウイルスの影響によるデジタルシフト
コロナウイルスの影響によりさまざまな制限がされ、特に飲食店やアパレル等の小売店等の対面でのビジネスにとって大ダメージを受けてしまいました。
このような業界や業種は、減ってしまった顧客との接点を取り返すように模索した結果、デジタルシフトが進んでいき、飲食店であればインターネット上で配達やテイクアウトの注文を受け付ける店舗が増えてきました。
そのほかでも、対面でセミナーやイベントを実施してきた企業は、インターネット上で行うウェビナーへ移行したり、デジタル広告が普及したりと、リードの獲得方法に変化がおきました。
スマートデバイスの普及
スマートデバイスと呼ばれるスマートフォンやタブレット等のデバイスが普及したことによって、今まではPCを持っていないとアクセスすることができなかったインターネットへどのような方でもアクセスすることが可能となりました。
そして、場所や時間に関係なくインターネットへアクセスできるようになり、消費者が情報を収集するタイミングも変わってきました。
例えば、アパレル等の店舗にいながら、購入を迷っている製品のレビューやインターネット上の価格をスマートフォンで検索する等の行動も多くなっております。
オンラインで行なったマーケティング施策により店舗に足を運んでもらいオフラインのアクションを促していく「O2O(Online to Offline)」と呼ばれるものから、「OMO(Online Merges with Offline)」と呼ばれるオンラインとオフラインを一緒にしたマーケティングの需要も高まってきております。
情報源の変化
いつでも、どこでもインターネットに接続できるスマートデバイスの普及と伴って、消費者の製品や企業に対する情報源も変化しております。
検索エンジンや公式SNS等もありますが、それよりもインフルエンサー等による発言・発信を信頼して購買等のアクションをする基準となっている場合も増え、今まで通りのマーケティングでは上手いこといかない事態も発生しました。
ただその結果、より顧客との関係性を深く構築しなければいけませんので、精度の高いマーケティングが求められており、その結果デジタルマーケティングへの注目も集まりました。
デジタルマーケティングの特徴
ここからは、デジタルマーケティングの特徴についてお伝えしていきます。
特徴としては、主に下記2つございます。
- オムニチャネルを連携させてマーケティングを行う
- データドリブンに基づき施策を行う
それぞれについて解説を行います。
オムニチャネルを連携させてマーケティングを行う
オムニチャネルとは、企業と顧客の接点(タッチポイント)や販路等を全て統合することで、顧客へ総合的にアプローチをすることができる方法です。オムニチャネル化していくことで、顧客目線での利便性を向上させることができ、商品やサービスを販売する機会を増やすことも可能です。
このオムニチャネルにおけるチャネルとは、具体的に実店舗はもちろんのこと、ECサイトや、WEBサイト、メルマガ、電話、DMなども含まれております。
その他にも、SNSプラットフォームである、TwitterやInstagram、Facebookなども、消費者の購買行動プロセスへ大きく影響するようなチャネルとなりますので、重要とされております。
デジタルマーケティングは、上記のような様々なチャネルを連携させて、様々な施策を行うことを指しております。
データドリブンに基づき施策を行う
データドリブンとは、KKDと呼ばれる「勘」「経験」「度胸」を頼るのではなく、売上やWEBサイトのデータなどの様々なデータを蓄積をしていき、そのデータを分析することで、問題の解決策やビジネスの方向性を決める意思決定などをする業務プロセスのことを指します。
デジタルマーケティングでは、様々なチャネルで収集したデータを活用・分析をしていき、適切なアプローチを行っていきます。
デジタルマーケティングを実施する目的
では、デジタルマーケティングを実施する目的は何でしょうか?
単刀直入にお伝えすると、One to Oneマーケティングを行い売上の最大化を図ることが目的になります。
One to Oneマーケティングとは
One to Oneマーケティングとは、各顧客に沿ったマーケティングを行うことです。
顧客全体に対して、全く同じ内容の施策を行うのではなく、各顧客の興味や関心に適した内容のマーケティングを行います。具体的な施策として、リターゲティング広告や「あなたにおすすめ」等のレコメンデーション、メールマーケティング等になります。
わかり易く解説します。
従来のメルマガでは、顧客リスト全体に対して同じ内容のメールを送信していました。
ECサイトと仮定すると、ワンピースの購入者であるAさん・靴の購入者であるBさん・ネックレスの購入者であるCさんに対して、メルマガは同じ商品の内容を送ることになります。
ただ、One to Oneマーケティングでは、Aさんには「ワンピースの関連商品」、Bさんには「靴の関連商品」、Cさんには「ネックレスの関連商品」のメールを送ります。
そうすることにより、より多くのコンバージョンを獲得する事が可能になります。
デジタルマーケティングの具体的な手法・施策
デジタルマーケティングについて、ある程度おわかりいただけたかと思いますが、デジタルマーケティングの具体的な手法について解説を行っていきます。
具体的な手法や施策に関しては、多くの種類がありますので、今回は下記7つの手法について解説します。
- WEBサイトの運用・解析
- デジタル広告運用
- SEO対策
- MEO対策
- コンテンツマーケティング
- SNSマーケティング
- メールマーケティング
WEBサイトの運用・解析
まずは、マーケティング施策の基盤となる「WEBサイト」の運用やデータ解析になります。
WEBサイトは、自社のコーポレートサイトでもサービスサイトでもどちらでも良いですが、情報の発信や更新、ブログ記事の配信を行っていき、そのサイトへ流入したユーザーのアクセスデータ解析をし、改善を行っていきます。
なぜ、基盤になるかと言いますと、今後紹介するSEO対策やコンテンツマーケティング、デジタル広告運用などの施策を行い収集したユーザー(顧客)の誘導先がこのWEBサイトになるからです。
ユーザーをWEBサイトへ誘導させ、自社の目標(会員登録や商品購入など)へとつなげていきます。
アクセスデータの解析や分析については、Googleアナリティクスを活用して行っていきます。
どこでユーザーは離脱しているのか、参照元はどこか、セッション数はどれくらいかなどを確認して、改善を行っていくことで、コンバージョンを向上させていくと良いです。
デジタル広告運用
デジタル広告もデジタルマーケティングの代表的な施策の1つでしょう。
デジタル広告は、主に下記のような広告を指しております。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- アドネットワーク広告
- 動画広告
- SNS広告
- アフィリエイト広告
- 記事広告
上記以外でも、多くのデジタル広告が存在しており、商材やターゲットに応じて広告媒体は変えていく必要がありますので、各々の良し悪しを考慮して選択をしていきましょう。
SEO対策
SEOとは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略で、検索エンジン最適化という意味となっております。Googleやyahooなどの検索エンジンにWEBサイトやページを最適化していき、検索結果の上位に表示させるよう対策を行うマーケティング施策になります。
マーケティングの基盤となるWEBサイトを広く認知させていくためにも、SEO対策は必須の施策と言えるでしょう。
SEO対策については下記の記事に記載しておりますので、ご確認ください。
MEO対策
MEOとは、英語で「Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)」、ローカルSEOと言われるもので、Googleの地図検索エンジンで自社の店舗(のGoogleビジネスプロフィール)を上位に表示させる為の対策です。
実店舗へ顧客を集客するローカルビジネスにおいて、とても効果を発揮するマーケティング施策になります。
近くの飲食店や美容室、小売店を調べる際にGoogleマップを利用するユーザーは多く存在しておりますので、その検索ユーザーへ効果的に訴求をして、集客へ結びつけることが可能になります。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、サイト閲覧者(ユーザー)へ、価値のあるコンテンツを発信して見込み顧客の育成(リードナーチャリング)を行い、購買を経て、ロイヤルカスタマー化させることを目標とするマーケティング手法になります。
昨今では、多くの企業で自社のオウンドメディアを活用して、コンテンツマーケティングを実施しております。
このコンテンツマーケティングには、多くのメリットが存在しており、「認知」「集客」等を高めることができる効果的なマーケティング施策といえます。
SNSマーケティング
SNSマーケティングでは、ご存知のFacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを活用し商品やサービスの宣伝や企業・ブランドについて発信をし、ファンの獲得・売上向上等へ繋げるマーケティング施策になります。
YouTubeでも同じように動画コンテンツを配信することによりアプローチをかけていけます。SNSとは違い動画で発信できるため、情報量を多くしっかりと伝えたいことが伝えられるというメリットがあります。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、様々な方法で獲得したメールアドレスのリストへメールを送信して、集客を行ったりプロモーションをしたり、商材や企業ブランドへのファンを育成したり、コンバージョン獲得へと繋げたりする施策の一つです。
One to Oneマーケティングとは?でもお伝えしたように、以前までの画一的なメルマガとは違い、顧客へ合わせた内容のメールを適切なタイミングで送信していきます。
MAツールを活用して実施することが一般的です。
デジタルマーケティング戦略を立案する際のポイント
デジタルマーケティングを行なっていく際に、WEB上のマーケティング施策だけでなく、様々なチャネルでのコミュニケーションを組み合わせながら戦略立てをしていく必要があります。
また、現在行なっているマーケティング施作も見直して改善できるのであれば改善をしておく方が良いでしょう。
デジタルマーケティングでは、WEBマーケティング以上に取得できるデータが増え、改善を行なっておくことで、デジタルマーケティングと現在行っているマーケティングの両方を最大限効率的に運用することができます。
WEBマーケティングの見直し・改善
それでは、まず現状行っているWEBマーケティング施策を見直していき、改善すべきポイントを発見していきましょう。
主に下記4つについて確認をしていきましょう。
・自社運営のWEBサイトはレスポンシブウェブデザインになっているか
・WEBサイトの資料請求や問い合わせフォームへの誘導は適切かどうか
・SEO対策は効果が出ているか(オーガニック検索からの流入数は増加しているか)
・ターゲティングにあったデジタル広告を運用できているか
コンテンツマーケティングの見直し・改善
WEBマーケティングの見直し・改善の後は、同様にコンテンツマーケティングの見直し・改善を行っておきましょう。
主に下記6つを対象に行うと良いです。
・オウンドメディア、WEBサイトのコラム
・ホワイトペーパー、eBook等の資料コンテンツ
・メール
・SNS
・デジタル広告、SNS広告
・アプリのプッシュ通知
コンテンツマーケティングでは、顧客となるユーザーの流入経路やニーズのある情報を考慮して、コンテンツの組み合わせを意識し、内容の改善を行っていきましょう。
例えば、PCで閲覧して情報収集を行う人に向けてマーケティングを行うのであれば、時間に余裕があるため短文の記事より長文を多めにして回遊率を上げる施策を展開したり、反対にスマートフォンで情報収集する顧客に向けては、スキマ時間に見られるよう長文より短文の記事を多く制作したりと変更していくことが重要です。
コンテンツマーケティングについてはこちらをご覧下さい。
CRM・メールマーケティングの見直し・改善
デジタルマーケティングは、WEBマーケティングと違い様々なチャネルで顧客とコミュニケーションを取ることができるという特徴があります。
そのため、取得したデータを有効的に活用し、マルチチャネルでマーケティング施策を行っていけるように、CRM(Customer Relationship Management)の戦略も見直し・改善を行なっていきましょう。
CRMは日本語で顧客関係管理と呼ばれるもので、顧客の詳細なデータやコミュニケーションの内容等様々なデータを管理することができ、マルチチャネルでの顧客管理を一元管理できるものとなっております。そのため、顧客ベースでマーケティング施作を行うことが可能となり、LTVの向上をさせることが可能となります。
CRMについてはこちらで詳しく解説しています。
CRMを活用したマーケティング施作の中で特に実施しやすいものがメールマーケティングになります。
従来の定期的なメールマガジンとは違って、CRMで管理している顧客データを基に顧客別に最適化された情報の配信やオファーを送信できるようになり、顧客との関係性構築やロイヤリティーを高める効果があります。
KPIの設定
デジタルマーケティングの大きな特徴として、CRM等で顧客のデータを一元管理していることにより、初めのコンタクトから購買までの全てのプロセスをトラッキングすることができるという点があります。
WEBマーケティング等ではできなかった数値の確認をすることができるので、チャネル別の指標だけでなく、さらに成約や購買等の収益に近しい値をKPIに設定することができます。
今までのWEBマーケティングでの主なKPIは、サイトへの流入数やセッション数、問い合わせ数、コンテンツダウンロード数…等のコンバージョン数がメインでした。
ただ、デジタルマーケティングでは、それらももちろんトラッキングすることができますが、契約件数や売上高等を設定していくことをお勧めします。
デジタルマーケティングで今後注目されているモノ
デジタルマーケティングで今後注目されているモノが2つあります。
その背景や利用方法について解説します。
AI
昨今とても耳にすることが多くなっているAIですが、デジタルマーケティングでもとても注目されております。
AIとはいわゆる人工知能のことで、ディープラーニングといわれる機械学習をおこなっていくことで、今までコンピューターでは出来なかった判断や計算を行うことができます。
そのAI技術がより浸透するようになれば、デジタルマーケティングではペルソナの設定や顧客の分析を自動で行ってくれるようになり、近い将来には施作のキャンペーンの実施・終了等をAIが行うようになるでしょう。
動画・映像
動画・映像もとても注目されております。
その背景としては、4Gや5G等の通信環境が整ってきて、スマートデバイスやPCでストレスを感じず動画の視聴ができるようになったことが大きな要因とされております。さらには、技術革新に伴って初心者でも高品質な動画を作成できるツール等もあったり、YouTubeやSNSでも手軽に動画コンテンツを拡散できる環境ができたことも大きいです。
動画は静止画よりも情報量が多く人の記憶にも起こりやすいという研究結果も出ているため、デジタルマーケティングでも今後益々活用されていくことが予想されます。
最後に
今回はデジタルマーケティングについて、詳しく解説をしてきました。
今まで、「WEBマーケティングとデジタルマーケティングは一緒でしょ」と思っていた方も違いがわかったかと思います。
昨今では、CRM等のツールもたくさん出ているため、以前に比べてデジタルマーケティングの導入は簡単になったと思われますので、導入を検討されている企業は、ご参考にしていただければと思います。