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リスティング広告とは?費用やメリット、掲載方法、2024年版のコツについて徹底解説

皆様、リスティング広告は聞いたことがありますよね?
リスティング広告は、デジタル広告の中でも代表的な広告になっており、ほとんどの方が知っているか、見たことがあると思います。少ない予算でも広告出稿が出来たり、リンク先があれば誰でも広告配信が出来たりと自由度の高い広告とはなりますが、反対に自由度故の難しさというのもございます。

今回は、リスティング広告の今さら聞けない基礎知識から活用方法、配信の方法などについて解説を行っていきますので、ぜひご参考にしていただければと思います。

リスティング広告とは

リスティング広告とは

リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して、検索結果に掲載される広告です。検索連動型広告(検索広告)やPPC(Pay Per Click)とも呼ばれ、広告がクリックされると費用が発生する仕組みになっています。日本で代表的なのは、Google 広告やYahoo!広告(旧称:Yahoo!プロモーション広告)です。

簡単にお伝えすると、ユーザーがある特定のキーワードにて検索をするとキーワードに対して広告を表示させることができ、興味や関心が高いユーザーへとアプローチをかけることができます。

リスティング広告は、WEBマーケティングの一つで、効果的に運用をすることが出来れば、商品やサービスの売り上げ向上や会員増加を期待できます。
ここからは、リスティング広告のポイントや、掲載場所、掲載フォーマットなど具体的な内容について詳しく解説していきます。

リスティング広告の特徴

リスティング広告の特徴

リスティング広告を活用すると、パソコンやスマートフォンである特定のキーワードを検索しているユーザに向け広告サイトを誘導することができます。

リスティング広告には、以下のような特徴があります。

リスティング広告の特徴
  • 簡単に誰でもアカウントを発行できる
  • 月1,000円程度から広告の出稿できる
  • 設定次第で今日から広告を出すこともできる
  • 広告を表示する検索キーワードを自分で決められる
  • 広告文を自分で作成できる
  • クリックあたりに支払える料金の上限を自分で設定できる
  • 1日の予算や目標獲得単価(CPA)を自由に決められる

リスティング広告には、いつでも、誰でもスタートできるという魅力があります。
さらに、広告文から検索キーワードの設定まで自由に行うことができます。また、費用や獲得単価の目標を自分で設定できることも、リスティング広告の強みです。

ただ、自由度が高いだけに効果は千差万別というのも事実です。
広告を出稿すれば、必ず売上向上できるものではありません。見られる数が増えたとしても、魅力的な広告文でない限りクリックされませんし、誘導先が良いコンテンツでない限りCVへとつながりません。
正しい知識と運用開始後のしっかりとした修正・改善を行っていくことが非常に重要になります。

リスティング広告の掲載場所と掲載フォーマット

リスティング広告の掲載場所と掲載フォーマット

リスティング広告は、Google検索やYahoo検索の検索上位3つを目安に掲載されています。日本国内を対象にリスティング広告を出すのであれば、検索エンジンシェア世界1位で、日本国内でも70%ほどのシェアを占めているGoogle検索と、国内シェア25%を占めるYahoo!検索を押さえておけば問題ないでしょう。

リスティング広告の掲載場所

掲載場所に関しては、もちろんGoogleやYahoo!の検索結果に表示されます。
Googleの場合、下記の写真のように表示されます。

リスティング広告の掲載場所

さらに、それぞれの提携先検索エンジン(検索パートナー)の検索結果に表示させることも可能です。

Googlegoo、BIGLOBE、AU ONE、livedoor、@nifty、LUNASCAPE、Thchnorati、Hatend、Aladdin etc...
Yahoo!Live Search、日経ネット、エキサイト、オールアバウト、フレッシュアイ etc...

掲載フォーマット

リスティング広告の掲載フォーマットは、テキスト主体になります。
大きく分けると、「見出し」「説明文」「表示URL」「画像(※)」の3つの構成です。それぞれ、広告の種類などによって文字数制限が設けられておりますので、出稿する広告の詳細はチェックしておきましょう。

更に詳しいところになりますと、広告文に利用できる記号にも制限がありますので、ご注意ください。

リスティング広告の広告掲載フォーマット
出展:google

(※)2021年5月27日にリスティング広告に画像を表示するサービスが提供されました。
今までが、上記の「見出し」や「説明文」などのテキストベースだったのが、設定をすることにより上の画像のように説明文の隣に画像が表示されます。テキストで視るより、写真を視るほうが視覚的に訴求をすることができるため、工夫をすることで、ユーザーへ伝えたいことを伝えやすくなりました。広告パフォーマンス向上に大きく貢献してくれそうです。
参考:画像表示オプションで魅力的な検索広告を配信する|google

ディスプレイ広告

出典:Google広告ヘルプ

ディスプレイ広告も有名な広告手法です。リスティング広告と聞いたとき、検索連動型広告を思い浮かべる方が多いと思いますが、ディスプレイ広告もリスティング広告の一種になります。

ディスプレイ広告は、WEBサイトのサイドバーの部分や上部・下部、あとは文中に表示される広告になります。

ディスプレイ広告は大きく2種類あり、閲覧ユーザーの興味や関心などで「ユーザー」をターゲティングする広告と、ユーザーの閲覧しているWEBサイトの属性「コンテンツ」をターゲティングする広告があります。

例えば、財布が欲しいと思って財布を検索した後、まったく関係のないニュース記事などを見ている際に見ていたサイトや関連する財布の広告が表示されたような経験があると思います。そのようなユーザーの行動履歴をもとに表示する「リマーケティング広告/リターゲティング広告」は代表的で効果的な広告手法になります。

リスティング広告のメリット

リスティング広告のメリット

リスティング広告は、手軽に取り入れることができるため、多くのメリットがありますので、紹介をしていきます。

購買意欲の高い顧客へ広告配信できる

まず、1つ目のメリットとしては、購買意欲の高い顧客へ広告配信することが出来るという点です。
リスティング広告では、ユーザーが検索したキーワードに連動して、検索結果に掲載されます。ユーザーが、そのキーワードを検索するということは、興味や関心・課題などを持っておりその解決方法を求めているのです。

例えば、「リスティング広告とは」と検索する方は、リスティング広告についての知識を求めている方ですし、「リスティング広告 コツ」と検索する方はリスティング広告を始めようとしており運用のコツを求めて検索をしているのです。

その為、検索した結果に自分の求めている「解答」が広告分として配信されていれば、検索ユーザーは解答を見るために広告をクリックするでしょう。

なので、リスティング広告を配信することは、解決策を求めて検索をしているユーザー(購買意欲の高い顧客)へ広告を配信することに繋がるのです。
そのような顧客へアプローチが出来ますので、リスティング広告から流入したユーザーのCVR(コンバージョン率)は高くなる場合が多いです。

その日のうちに広告配信が出来る

続いてのメリットは、広告配信までの早さです。
リスティング広告は、広告代理店などを介さずに広告を配信することが出来ますので、最短数時間で配信することが可能です。リスティング広告専用の管理画面がありますので、その管理画面に沿って必要項目を入力すると広告を配信できます。

最低1,000円から広告配信が出来る

リスティング広告では低予算でも広告を配信することが出来ます。
正確にお伝えすると、主要の媒体であるGoogleやYahoo!では最低の出稿金額は設定されておりませんので、1,000円以下からでも入札をすることは可能ですが、前払い制が一般的ですので「最低1,000円〜」となっております。

Googleの場合は「前払い1,000円〜」、Yahoo!の場合「前払い3,000円〜」となっています。
※後払いも可能ですが条件をクリアしたアカウントでなければいけませんので、前払い前提で考えてもらえると間違いありません。

月に数千円〜数万円しか予算が組めない企業や、個人事業などの方でも広告配信が出来るという点は大きなメリットと言えるでしょう。

効果測定・改善がリアルタイムで可能

リスティング広告では、広告管理画面で広告のパフォーマンスをリアルタイムで確認することが出来ます。
概要レポートは以下のようなものです。「クリック数」「表示回数」「平均クリック単価」「費用」などをチェックすることができます。

概要レポート|Google広告
出典:Google

想定している数値より悪い場合、すぐに改善を行ったり、一時的に広告を停止したりすることが可能となっております。
このように、即改善ができるため、時間的・費用的なロスを抑えて広告配信の最適化を行っていけるのです。

リスティング広告のデメリット

リスティング広告のデメリット

リスティング広告には大きなメリットもありますが、デメリットも存在しております。
ここでは、3つデメリットを紹介してますので、デメリットもしっかりと把握しておきましょう。

効果測定・改善をしっかりと行う必要がある

リスティング広告だけではありませんが、効果測定をしっかりと行い、分析し改善をしていく必要があります。
最初は効果が高かったとしても、その広告を継続して配信していくとパフォーマンスが薄れてしまいます。

広告を配信するのであれば、「クリック数」「表示回数」は毎日チェックしましょう。
市場の変化やユーザーの環境などによっても、効果は変化していきますので、継続して分析と改善を行っていきます。

ただ、予算が少ないと効果測定や改善が難しいです。
低予算でも広告配信できるものの、低予算の場合広告の配信量が少なくなってしまい、十分なデータが集まらず効果測定や分析が困難になってしまいます。

そのため、ある程度予算を確保してからリスティング広告を配信することをおすすめします。

競争が激化している

続いてのデメリットは、競争が激化しているという点です。
リスティング広告では、入札金額によって広告の掲載順位が決まります。その為、人気のあるキーワードでは、競争が激化してしまい、入札金額が高騰し費用対効果が悪くなる場合もあるでしょう。

例えば、「検索ボリュームの多いキーワード」や「競合が多く広告を配信しているキーワード」などの場合、クリック単価が高くなります。例えば、「パソコン」や「ホームページ」等の単語だけだと単価が高くなるのと、自社が求めているターゲット層へアプローチが出来ない可能性が高いです。

それと、広告を出向しようと考えているキーワードで検索することにより、競合が出稿している広告を確認することができます。実際に出稿している広告をチェックすることで、どのような文言で広告を出しているのか参考にすることも出来ますし、違った広告分を使うことで競合との差別化を行うことも出来るでしょう。
ここだけ聞くと、メリットのように聞こえますが、競合他社も自社の広告を見ることできるのです。その為、前述したように改善をしっかりと行っていかなければ、効果が薄れてしまいます。

広告と表示されるためクリック率が低下する可能性がある

リスティング広告では、検索結果上に表示されますが、広告以外のコンテンツと見分けをつけるために、「広告」と表示されます。ですので、広告に対して抵抗感のあるユーザーからのクリック率は低下してしまう可能性が高いです。

購買意欲の高いユーザーであっても、広告に対して良いイメージを持っていないユーザーはいますので、そのようなユーザーにはSEO対策など別の施策でアプローチをするようにしましょう。

リスティング広告とSEO対策の違う点

リスティング広告とSEO対策の違う点

ここまでリスティング広告について解説を行ってきました。
リスティング広告は、検索結果上に表示されるということですが、「SEO対策」とはどう違うのでしょうか?

ここでは、リスティング広告とSEO対策との違いについて解説をします。

コントロールが出来るかどうか

まず、一番の違いとしては、「コントロールが出来るかどうか」です。
SEO対策は検索順位のコントロールをすることが出来ませんが、リスティング広告では予算次第でコントロールすることが出来ます。

SEOでは、上位に表示されるように対策を行うことが出来ますが、確実に上位に表示されることはできません。様々な施策を行い、Googleアルゴリズムによって評価をされます。

リスティング広告にかかる費用・目安

リスティング広告にかかる費用・目安

リスティング広告で発生する費用の種類

リスティング広告の費用は、「クリック課金制」と「入札オークション制」の2種類です。
2種類の違いについて、分かりやすく解説していきます。

クリック課金制

クリック課金制は、ユーザーが関心を示して広告をクリックした場合に費用が発生します。
検索結果に表示されただけでは、費用が発生しないため、広告費が無駄になることは少ないでしょう。

入札によるオークション制

入札によるオークション制は、指定したキーワードで検索され、広告がクリックされた時の最高単価を設定します。
その後、同様のキーワードで入札した企業によりオークションが実施されるのです。
その結果、広告を何位に表示するか、もしくは広告を表示しないかが決定されることになります。

リスティング広告の予算・目標の設定

特徴の部分でお伝えした通り、リスティング広告は1,000円~実施を出来る手ごろさがあります。

ただ、成果を出すために必要な予算という観点からすると、やはり1,000円では心もとない予算になってきます。中小企業などの場合は、月10~30万円ほどで運用し、成果が見えてきた際に予算UPをしていくというケースが多いです。

では、どのように予算設定をしていけばいいんでしょうか?
詳しくお伝えいたします。

CPA(獲得単価)

全体の予算を決める前に重要になってくるのが、CPA(獲得単価)になります。
逆にCPAが決定すれば、その件数を掛け必要な予算を決定することが可能になります。

CPAを決めずに広告を配信する場合、例えば月10万円の予算のみを決め、運用した後、蓋を開けてみたらCPA5万円だったとなってしまい、実際は2件ほどしか獲得できなかったという悲劇になってしまいます。そうなると商品やサービスの金額によりますが、費用対効果が悪く、さらに獲得数も目標より低くなってしまう可能性が高くなります。

なので、まずは許容できるCPAを設定しましょう。
決め方に関しては、サービスや商品、ビジネスモデルによりますが、シンプルな例ですと下記になります。

CPA = 売上原価 ー 経費・営業経費(原価や人件費etc)ー 確保したい利益

例えば、売上原価が10,000円で経費・営業経費が4,000円、確保したい利益が3,000円だった場合、下の計算になります。

10,000円(売上原価) ー 4,000円(経費・営業経費)ー 3,000円(確保したい利益 3,000円(CPA)

意外と計算は簡単ですよね。なので、広告の予算に関しては
3,000円(CPA)×獲得したい数で算出することが可能になります。

許容できるCPAを高く設定すること=競争優位性

上記で記載した計算式で簡単にCPA→広告予算を算出することはできました。ただ、競争優位性という観点でお伝えすると規模を獲得することが難しくなります。

上記の式を例に簡単にお伝えすると、CPAが3,000円の場合で、仮に想定CVRが2%だとすると、許容できるCPC(クリック単価)は60円になります。下がCPC算出の公式になります。

許容CPC = 許容CPA ー 想定CVR

もし、仮に競合の企業が、許容CPAが10,000円/想定CVRが2%だった場合、許容CPCは200円となります。そうなると、自社はCPCの上限が60円までしか入札できないのに比べ、競合企業は200円まで入札が可能ということになります。
リスティング広告では基本的に、入札額によって順位が決定しております。なので、競合企業が上位に表示され、自社の広告は下部や2ページ目以降に表示されることになり、広告がユーザーの目に留まらなくなります。

上記の通り、許容CPAが高いほど、獲得規模の優位性が出ることになり、成果が出やすくなります。

LTV

許容CPAを高くするため、リピートが見込める場合はLTV(Life Time Value:顧客あたりの年間利益)で計算をすることもあります。

LTV(顧客あたりの年間利益)= (年間売上 ー 年間コスト)÷ 総顧客

必要な予算

上記で伝えたように、許容CPAを高くし、競争優位性を確保する大切さはわかっていただけたかと思います。ですので、必要予算は、許容CPAに目標としている獲得件数を掛けることで算出できます。

必要予算 = 許容CPA × 目標獲得件数

競争優位性を高める為、許容CPAを高く設定をし、その上で目標を設定することになります。許容CPAを高く設定することも重要ですが、高くしても保つことができる体制を作ることが最重要事項になります。
その体制を作るために、LTV(顧客あたりの年間利益)を高める必要があり、LTVを高める為に「フロントエンド商品」の設定・数の担保、そのあとに「バックエンド商品」を複数回購入してもらえるような利益プロセスを作ることが必要となります。

リスティング広告の掲載順位

リスティング広告の掲載順位

リスティング広告は広告オークションによって順位が決定します。

Googleの場合、オークションに参加しているすべての広告に対して、「広告ランク」をつけており、通常は広告ランクの高い順に上位広告枠が割り当てられます。(※広告ランクとは、広告の掲載可否であったり、掲載順位の基準となるGoogle独自のスコア)

「広告ランク」は、大まかに次の6つの要素により決定をしております。

  1. 入札単価
  2. 広告とLPの品質
    (出稿する広告とリンク先のWEBサイトがどれほど有用かつ関連性の高いものかが判断基準)
  3. 広告ランクの最低限基準
    (表示される広告が満たすべき基準)
  4. オークションでの競争度
  5. ユーザーが検索に至った背景
    (背景=コンテキストとはユーザーが検索したキーワード、検索時の所在地、検索したデバイス、日時、キーワード性質、検索結果等、様々なユーザーシグナルや属性を考慮)
  6. 広告表示オプションやその他の広告フォーマットの効果

出展:Google

評価が大きい部分は2番の「広告とLPの品質」です。
この品質はスコアリングされており、「品質スコア」と呼ばれております。

品質スコア

品質スコアは、1~10の10段階で評価をされます。(※10の評価が最も良いと評価された状態)

そして、主に次の3つの要素で決定しております。

  1. 推定クリック率
    推定クリック率はリスティング広告を配信する場合、指定をしたキーワードが、推定どの程度クリックされるのかを示すステータスになります。表示されるステータスは3つで、「平均より上」「平均値」「平均より下」となります。「平均より下」の場合は、指定したキーワードと広告分の関連性が低いと判定されており、スコアが下がります。
  2. キーワードと広告分の関連性
    キーワードと広告文の関連性とは、ユーザーが検索するキーワードとそのキーワードに紐づいて表示される広告文(リスティング広告)との関連性のことで、関連性が高い状態とは、ユーザーが検索するキーワードが文中に入っている状態を指します。
  3. キーワードとLPの関連性
    ユーザーが検索するキーワードとリスティング広告のリンク先であるLPとの関連性のことを指します。

このように、ユーザビリティを意識し広告も作成をしていく必要があります。
それと、「品質スコア」を抜粋して詳しくお伝えしましたが、広告ランクの6つの要素に関してはすべて大切なものになりますので、できるところから改善をしていくことをお勧めします。

リスティング広告の配信方法

リスティング広告の配信方法

それでは、ここからリスティング広告の配信方法について解説を行っていきます。
実際に素早く行うと15分程度で設定することは可能ですが、しっかりとした広告出稿の計画を立て、適切な設定を行っていくことがとても重要となります。

大まかな配信までのステップは以下の通りとなります。

広告出稿計画①目標設定・課題の整理
②ターゲティング
広告出稿設定③Google広告アカウントの開設
④目標選択
⑤配信条件の設定
⑥広告作成
⑦効果測定・改善【配信後】

それぞれ解説を行っていきます。

①目標設定・課題の整理

広告を配信する前に、自社の課題や問題について把握をしておきましょう。
その後に、広告の目標を設定していきます。

広告の目標を立てていく際には、求めている顧客はどのフェーズにいるのかも考えておく必要があります。
顧客の購買フローでは、「認知」→「検討」→「行動」と段階を踏んで進んでいきます。その為、「行動=コンバージョン」を増やしたいのであれば、その前の段階である「認知」「検討」のフェーズの顧客をまず増やさなければなりません。
そのため、自社に不足しているフェーズはどこなのかも合わせて考えていきましょう。

「認知」「検討」「行動」それぞれの違いやアプローチの方法について解説をします。

認知フェーズ

認知の段階では、自社の商品・サービスが顧客に知られていないか、知っているものの興味関心がない段階です。
その為、認知度を向上させたり、興味喚起のための情報をリーチしていきましょう。

認知フェーズの測定指標
  • 広告の表示回数
  • ユーザーあたりの平均表示回数
  • 広告が表示されたUU数(ユニークユーザー数)

検討フェーズ

検討の段階では、自社の商品・サービスに対して興味関心を持っている顧客や、購入・申込みを決断するために情報収集している段階です。
商品・サービスの他社にはない優位性や違い、詳細な情報を知ってもらえるように広告を配信していきましょう。

検討フェーズの測定指標
  • 広告のクリック率/クリック数/クリック単価

行動フェーズ

行動の段階は、購買することが決定しているか、購買することが決定していたものの離脱している段階となります。
再度広告を配信しアプローチをしたり、購入・申し込みの入り口を作ったりしましょう。

行動フェーズの測定指標
  • 広告経由のCV(コンバージョン)数/CVR/CV単価

②ターゲティング

続いて、ステップ①で設定した目標に沿って、広告配信先であるターゲティングを検討していきます。
顧客の年齢層や興味関心、性別、ライフスタイル、家族構成などの具体的な項目を検討していくことにより、ターゲティングの精度は高まりますし、広告を配信する際の広告文や画像等の方向性を決めることにも繋がります。

Google広告の場合、以下のようなターゲティングを行うことが可能です。

年齢層・属性

広告配信をするユーザーの年齢層・性別・子供の有無等の設定をすることが出来ます。

アフィニティ カテゴリ

アフィニティ カテゴリでは、特定のジャンルを好むユーザーの設定をすることが出来ます。
「スポーツファン」や「カフェの常連」などのジャンルからオーディエンスを設定することで、広告を配信する幅を狭めることが出来ます。

カスタム アフィニティ カテゴリ

興味関心のあるキーワード、関連しているWEBサイトURL、興味関心の有りそうなアプリなどの設定をして、オーディエンスの指定ができます。

キーワード

ユーザーが検索するキーワードを基に広告の表示をすることが出来ます。

カスタム インテント オーディエンス

特定のキーワードを設定することにより、そのキーワード又は関連キーワードを検索するユーザーに向けて広告を表示させることが出来ます。

購買意向の強いオーディエンス

商品・サービスの価格を検索しているユーザーや口コミサイトをチェックしているユーザー等の購買意欲の高いユーザーへリーチすることが出来ます。

リマーケティング

WEBサイトへ訪問したものの離脱したユーザーへ再度アプローチをする事ができます。
商品・サービス・ブランドの認知度を向上させたり、コンバージョンへと繋げたりすることが出来ます。

③Google広告アカウントの開設

それでは、広告出稿に向けて進めていきましょう。
まずは、広告を管理したり作成したりするためのGoogle広告アカウントを開設する必要があります。
無料でアカウントの開設をすることができますので、今すぐに行いましょう。

Google広告アカウントの開設①

Google広告へ移動し、今すぐ開始をクリックします。
Googleアカウントのログイン画面が表示されますので、Google広告で使用するアカウント情報を入力しログインをしましょう。
もし、別アカウントを作成するのであれば、ログイン画面の左下にあるアカウントを作成をクリックして、新規アカウント作成を行います。

Google広告アカウントの開設②

ログインが完了しますと、「新しいキャンペーンを作成」という画面が表示されますので、ページ下部のエキスパート モードに切り替えるをクリックします。

Google広告アカウントの開設③

目標の選択画面が表示されますので、左下にあるキャンペーンなしでアカウントを作成をクリックします。

Google広告アカウントの開設④

「ビジネス情報の確認」画面に移動しますので、「請求先住所の国」「タイムゾーン」「通貨」「Googleからの情報を受け取るかどうか」の設定をし、送信をクリックします。
「すべての設定が完了しました。」と表示されますと、アカウント開設完了です。
アカウントを確認をクリックして次に進めましょう。

④目標選択

目標選択①

続いて、目標の選択を行っていきます。
まずは、アカウントのトップページだと思いますので、新しいキャンペーンを作成をクリックします。
別のページへ移動してしまった場合、画面左上にあるGoogle広告のロゴをクリックして、トップページへ戻りましょう。

目標選択②

表示されている「目標」の中から自社の広告配信をする目標に沿ったものを1つ選択しましょう。
設定できる目標は以下の通りです。

販売促進商品・サービスの購入とうのコンバージョンへ繋がる可能性の高いユーザーへアプローチ
見込み顧客の獲得興味関心の高いユーザーに対して、行動を促しリードやコンバージョンの獲得を行う
ウェブサイトのトラフィック興味関心の高いユーザーをウェブサイトへ誘導したり訪問を促したりする
ブランド認知度とリーチ関連しているユーザーのブランド認知度を向上させたり、幅広いユーザーへリーチを拡大したりする

目標を選択すると、広告タイプが表示されますので、「検索」「ディスプレイ」のどちらかを選択して次へをクリックします。

予算と入札単価設定

次に、「予算と入札単価」が表示されますので、設定をしていきます。
目標に応じて設定する項目が変更しますので、ご注意ください。
今回は、「予算(1日の平均予算)」と「単価設定」を行い、次へをクリックします。

⑤配信条件の設定

配信条件の設定①

続いて、配信条件の設定を行っていきます。
まずは、「ネットワーク」「地域」「言語」の設定を行いましょう。

ネットワーク広告の掲載場所の設定を行います。
検索ネットワーク:Google検索結果や他のGoogleサイトへ広告を表示させる
ディスプレイ ネットワーク:Google広告を掲載することが出来る200万以上のWEBサイト・動画・アプリへ広告を表示させる
地域広告配信の対象地域を設定できます。
全国を対象に配信する場合は、「日本」を選択すればよいですが、都道府県別や更に絞り込んだ「〜〜市」にのみ配信したい場合は「別の地域を入力する」からターゲット地域を設定していきましょう。
ウェブサイトのトラフィック配信先であるユーザーの言語を設定できます。
「日本語」を設定しておくと良いでしょう。ただ、観光客などに向けて配信するのであれば、言語を外国語に設定します。
配信条件の設定②

続いて、「オーディエンス セグメント」の設定を行っていきます。
ここでは、ステップ②ターゲティングで決めておいた項目を設定していきましょう。

必要に応じて「動的検索広告の設定」も行いましょう。
動的検索広告(DSA)とは、自社のWEBサイト・ページと関連性の高いキーワードで検索をしているユーザーに向けて、Googleが自社のWEBサイト上の内容からユーザーのニーズや求めている解決策にマッチするよう広告を自動で作成し、配信できる機能です。
Googleによると、広告主の設定したキーワードとユーザーが実際に検索しているキーワードでは70%程は完全に一致していないと言われており、その70%程の想定していないキーワードに対して広告を自動的に配信できます。

配信条件の設定③

そして、最後に「その他の設定」をクリックして、「開始日と終了日」「広告のスケジュール」「キャンペーンURLのオプション」を設定して次へをクリックします。

開始日と終了日リスティング広告の開始日と終了日を設定することが出来ます。
継続的に広告を配信していくのであれば、終了日を設定しないことも可能です。
広告のスケジュール広告を配信する曜日や時間の設定をすることが出来ます。
曜日ごとに時間を設定することも可能で、広告のスケジュールを設定すると設定した曜日・時間でのみ広告を配信します。
キャンペーンURLのオプショントラッキングテンプレート、最終ページURLのサフィックス、カスタム パラメータを設定することが出来ます。
ユーザーが広告をクリックして流入した際のトラッキングに使用されますので、難しい場合は設定をしなくても良いです。

⑥広告作成

広告作成①

「キーワードと広告」という画面に移動しますので、まずはキーワードの設定を行っていきましょう。
キーワードでは、2つの設定方法があります。「キーワード候補の取得」か「キーワードの入力」です。
「キーワード候補の取得」へ広告配信をするWEBサイトのURLや商品・サービス名などを入力してキーワードを取得をクリックすると関連したキーワードを取得することが出来ます。
または、テキストボックスへキーワードを入力することも可能ですので、どちらか設定しやすい方法を選んでください。

広告作成②

続いて、広告の作成を行っていきます。
ここでは、「広告見出し」や「リンク先URL」「説明文」等を設定していきます。
キーワードのテーマに関連している広告を3つ以上作成することをおすすめしております。
設定が完了しましたら次へをクリックします。

広告作成③

「広告表示オプション」画面へ移動しますので、必要に応じて最適な設定をしていきます。
特に設定しなくても広告配信可能です。設定が終わりましたら次へをクリックします。
そうすると、広告の設定内容に対する審査が開始され、完了次第広告の出稿が始まります。

⑦効果測定・改善【配信後】

リスティング広告を出稿しましたら、定期的に効果測定と改善を行っていきます。
管理画面から概要レポートを確認したり、ダウンロードしたりすることができますので、設定した目標に対してどうなっているのかを確認していきます。

掲載結果が蓄積されましたら、管理画面に「最適化案」タブが表示されるようになります。
最適化案には、リスティング広告の掲載結果の履歴に沿った改善案がいくつか表示されますので、参考にしつつ改善を行っていくと良いでしょう。

リスティング広告で成果を出すコツ3選

リスティング広告で成果を出すコツ3選

最後に、リスティング広告を配信して成果を出すコツをご紹介します。
様々なサイトでコツは紹介されていると思いますが、今回は新しいアップデートに基づいたコツを紹介しますので、ぜひ御覧ください。

  1. キーワードの見直し・改善(PDCA)
  2. LPと広告テキストの改善
  3. ローカルビジネスでは、クチコミ評価を高くする

キーワードの見直し・改善(PDCA)

まず、リスティング広告は最初にお伝えしたとおり、検索結果連動型の広告となっております。
そのため、広告で設定するキーワードの見直しと改善を早いスパンで行っていく必要があります。

リスティング広告を行っていると、様々なキーワードで検索されていることが分かりますが、そのキーワードの中には見込み顧客になりえないようなキーワードがあったり、競合の名前があったりします。
その除外すべきキーワードを放置していると、その分無駄な出費になりますし、CVRが悪くなってしまいます。

自身のゴールに沿った最適なキーワードは何か、CVRが高いキーワードは何か、除外すべきキーワードはないかを定期的にチェックして改善をしていきましょう。

LPと広告テキストの改善

品質スコアの部分でもお伝えしましたが、広告のリンク先であるLPと広告テキストの関連性、またLPのクオリティも考える必要があります。

よくある例としてホワイトニングに特化したLPなのに、広告のテキストは「〜〜区にある〇〇歯医者」といった関連性のないものは評価が悪くなります。
そのため、掲載順位に影響が出ますし、もちろんCVRも下がってしまいます。

あと、LPに遷移したあと、多くのユーザーがすぐ離脱してしまう場合もLPを改善する必要があります。
それは、ユーザーにとって有用なページではなかったと評価されるためです。

上記のような場合には、ヒートマップなどを用いてどこでユーザーが離脱しているか、反対にどこに関心を集めているのかを確認し、最適なLPへ改善していきましょう。

ローカルビジネスでは、クチコミ評価を高くする

前述までで2つのコツをお伝えしましたが、今後もっとも注意しなければならないのがクチコミ評価になります。
このクチコミ評価は、Googleビジネスプロフィールのクチコミ評価を指しています。

理由としては、2022年のアップデートにてクチコミの重要性が上がっているからです。
今後ローカルビジネス事業者がリスティング広告を配信する際に、クチコミの評価を表示されるようになります。(※現段階では表示するかしないかを選択できますが、今後表示させるしかなくなるのです。2023年1月31日現在)

そのためローカルビジネスの場合は、MEO対策の一環としてクチコミの収集と評価のアップを狙っていくしかないのです。もし、評価が悪い状態で表示されるようになったら、ユーザーはその広告を見て「行きたい」と思うでしょうか…?

まとめ

今回は、リスティング広告について詳しく解説してきました。少ない費用ですぐに始められるリスティング広告ですが、広告としての効果を発揮するためには、それなりにお金と知識が必要となります。

さらに、長期的な運用を考えると、広告効果を分析したり、広告の内容を変更したり、とかなり手間のかかる作業となるでしょう。行き詰まった時は、気軽にリスティング広告の専門業者に相談することをおすすめします。

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