ホットリードという言葉をご存知でしょうか?
耳にする機会が増えてきましたので、聞いたことはあるという方が多いと思います。ただ、似ている言葉も多く、どのような意味があり、どのようにリードナーチャリングしていくのかまでは知らないという方も多いのではないでしょうか?
今回は、ホットリードの基礎知識やリードナーチャリングのポイント、施策など詳細をお伝えしていきます。
ホットリードとは
ホットリードとは、自社の商材に対して興味関心度が高く、案件化する可能性の高い位置にいるリード(見込み顧客)のことになります。
リードの中でも、確度が最も高いリードになり、「今すぐ客」と呼ばれることもあります。
ホットリードは企業や業種、商材によって定義が異なります。
一般的には、資料請求や問い合わせなどの購買する意欲が高い行動をしているリードを指すケースが多いでしょう。
コールドリード
ホットリードの反対に位置するリードを、コールドリードと呼びます。
コールドリードは、自社の商材に対して興味関心度が低く、成約までは時間がまだまだかかるリードです。リードの中で、確度が最も低いリードとなり、「まだまだ客」と呼ばれることもあります。
コールドリードは、接点を持ったことのあるリードで、成約に繋がる可能性はあるものの、ホットリードのように今すぐに成約できる期待はできないリードとなります。
ウォームリード
ウォームリードとは、ホットリードとコールドリードの中間地点に位置するリードとなります。
購買意欲がある程度見込めるリードで、「そのうち客」と呼ばれることもあります。
ウォームリードは、今後の施策次第でホットリード化することができるため、ホットリードの次に重要なリードとなります。
ホットリード獲得のメリット
ホットリード獲得のメリットは主に2つあります。それぞれ解説を行います。
購買に繋がりやすい
購買意欲が高いリードのため、購買に繋がりやすい点が最大のメリットとなります。
ウォームリードやコールドリードを購買へと繋げるためには、何度か商談を行なったり、定期的にコミュニケーションをとったりして、購買意欲を育成する必要がありますが、ホットリードの場合は、そもそも購買意欲が高いためすぐに購買へと繋がる可能性が高いです。
つまり、ホットリードを多く獲得するということは、効率的に売上を上げていくことに繋がるというわけです。
営業・マーケティングの効率化
ホットリードを獲得することで、営業活動を効率的に行えるという点も大きなメリットと言えます。
前述でもお伝えした通り、ホットリード以外では購買意欲を高めるために様々な施策を実施して、購買意欲を高めていく必要がありますので、その際に手間や時間がかかってしまいます。多くの時間を費やした結果、案件化もせずに終了してしまうケースもあるでしょう。
ただ、ホットリードの場合はメールや電話のやりとりが数回、商談も1回などで成約になる可能性が高いです。
そうなると、今まで育成に費やしていた工数や労力、コストを違うところに使ったり、コールドリードやウォームリードの育成体制の強化を図ったりすることができ、更なる会社の発展に寄与します。
コスト削減をすることができる
前述しているように、ホットリードの獲得によって、効率的に営業活動を行えるようになりますので、その分営業活動で発生するコストの削減を行うことができます。
確度の低いリードに対して、手間暇をかけアプローチをしていくことも重要ですが、ホットリードへアプローチをすることにより、効率の良い活動が可能となりコストを軽減することが出来ます。
ホットリードはリードナーチャリングで獲得できる
ホットリードは、リードの中でも確度の高いリードとなりますが、勝手に増えていくものでも、獲得が簡単なわけでもありません。
では、どのように獲得できるのかというと、ウォームリードやコールドリードをリードナーチャリング(育成)することにより、ホットリードを獲得していくことになります。
リードナーチャリングとは、獲得したリードとコミュニケーションや情報提供を取り、関心や興味、購買意欲等の育成を行なっていき、将来的な成果へ繋げていく手法となります。
ここでは、リードナーチャリングでホットリードへと育成するための重要なポイントをお伝えしていきます。
自社のホットリードを定義する
まずは、一番重要な部分である自社のホットリードを定義しましょう。
具体的には、どのようなリードをホットリードとするか、どういう行動をとったリードをホットリードと定義するか、という明確な基準を設定することです。
設定する理由として、設定していなかった場合、営業マンやマーケティング担当の間で認識齟齬が生まれたり、同じ担当者同士でも誤った認識をしてしまったりするからです。そうなってしまうと、ホットリードではないリードに対して商談をしてしまう可能性もあり営業活動の効率が悪くなってしまいます。
ホットリードの設定は、前述でもお伝えした通り、企業や業種、商材によって全く異なっております。例えば「WEBから問い合わせ」や「メルマガのリンクをクリックした」や「資料請求をした」などが当てはまっており、自社の商材や業種によってホットリードを設定することがとても重要になります。
リードのデータ収集・活用
リードナーチャリングを行なっていくためには、リードがどのような状態なのか把握しておく必要があります。そこで、活躍するものがMA(マーケティングオートメーション)となります。
MAとは、「Marketing Automation」の頭文字を取っており、収益を向上させると言う目的の上、マーケティング活動を自動化させるツールになります。
マーケティングでは、リードを育てていくリードナーチャリングを行う必要があり、そのためには、適切なタイミングでコミュニケーションをとっていく必要がありますが、その作業を自動化することができます。
この、MAを活用して、リードの行動をデータ化・数値化することにより、リードの興味関心や購買意欲を把握しやすくなります。把握したデータをもとに、適切なアプローチを行うことで、ナーチャリングすることが可能となります。
リードの購買意欲をスコアリング
リードの購買意欲をスコアリングすることも重要です。
スコアリングとは、リードの行動や属性に対して点数を設定することにより、リード単体の購買意欲を数値化する取り組みです。そして、ホットリードにおけるスコアリングは、リードスコアリングを活用します。リードスコアリングは、リードがホットリードに該当するかどうかを判断する基準となります。
上記のように、設定をしてリードに当てはめていくことでホットリードを判別することが可能となります。さらに、誰でも判断することができるというメリットもあります。
ただ、注意点もございます。
ホットリードをリードスコアリングだけで判断すると、ホットリードでないリードもホットリードとなる可能性もあるということです。そのため、もうひとつの判断基準を設けておいてスコアリングと併用していくことをお勧めします。
ホットリードの定義における良くある問題
ホットリードは前述したように、リードナーチャリングをすることによって獲得をすることが出来ますが、ホットリードになり得るかという定義は会社によって変わってきます。
そのため、自社のホットリードを定義化しなければならないのですが、定義が曖昧な場合いくつか問題が発生してしまいます。
営業マンへトスアップできない
一番の問題としては、営業マンへトスアップ出来ないという点です。
具体的には、効率的に売上を上げるためには、マーケターがリードを育成し最適なタイミング(ホットリードになったタイミング)で営業マンへトスアップをする必要があります。
ただ、それぞれの部署で定義しているホットリードが違う場合は、連携が上手くいかずに営業マンが欲しいと思っているホットリードがトスアップされなくなります。
その結果、営業活動を効率化させることもできず、更に時間や工数がかかってしまいます。
アタックリストの精度が落ちる
営業活動を効率的に行うためにも、アタックリストは必要不可欠です。
そして、そのアタックリスト上の顧客の状況(受注確度など)を確認し、どのように営業を行っていくかという戦略を立てていきます。ホットリードの場合は特に受注確度が高い顧客のため、優先的にアプローチをしていく必要があるでしょう。
ただ、ホットリードの定義が曖昧な場合は、そのアタックリストに記載されている情報が思っているものと違う可能性があり、アタックリスト自体の精度が低くなってしまいます。
ホットリード化させる育成方法6選
続いてホットリード化させるためのリードナーチャリング方法の具体例を紹介していきます。
リードナーチャリングについては、別の記事で詳しく記載しておりますが、今回はホットリード化させる施策に絞ってお伝えしていきます。
オウンドメディア|コンテンツマーケティング
まずは、オウンドメディアで有益なコンテンツを発信して育成をしていく方法です。
オウンドメディアとは、自社で保有しているメディアの総称になりますが、今回の場合では自社で保有しているWEBサイト(ホームページやコーポレートサイト、ECサイト、ブログなど)に当たります。
上記のようなオウンドメディアで、リードの状態に適したコンテンツ(記事や動画など)を発信し、購買意欲を高められるよう育成します。
このオウンドメディアでコンテンツを発信していく方法は、認知拡大や興味関心のある層の獲得、購買を検討している層の獲得など多岐に亘り活用することができます。
例えば、購買意欲が低いコールドリードに対して、自社の商材に関するコンテンツより、そのリードに役立つ情報を記事などにして発信したり、購買を検討しているようなホットリードに関しては自社商材の活用事例やお客様の声などを発信したりすると良いでしょう。
SNS運営
次に、SNS運営もリードナーチャリング手法として活用することが可能です。
FacebookやTwitter、Instagramなどを活用して、リードにとって有益な情報を発信していくことで育成をしていきます。
SNS運営もオウンドメディアと同じように、幅広い顧客層を獲得できる手法になっており、BtoCだけでなくBtoBでも多くの企業が活用をしております。
その背景として、スマートフォンの普及があります。スマホ普及に伴ってSNS利用者が急増し、BtoBビジネスだったとしても、近い距離で顧客とコミュニケーションが取れるというメリットがあります。
ただそれでも、BtoCのビジネスの方が効果を発揮しやすいという事実はあります。活用するのであれば、ビジネスで利用されることが多いFacebookを活用したり、その他の施策をメイン・SNSはサブで使用したりするなど工夫が必要です。
導入事例の発信
次に、コンテンツの内容として導入事例を発信することで、リードナーチャリングをすることも可能です。いわゆる「お客様の声」や「活用事例」などです。
導入事例は主に、企業の元々あった課題、課題解決できた方法、導入の結果などを掲載しますので、同じような課題を抱えるリードから納得や共感を得やすくなり、ホットリード化へ育成できるということです。
導入事例は、リードナーチャリングだけでなく、リードジェネレーション(リード獲得)でも活用できるため、コンテンツマーケティングを行なっていなかったとしても必ず導入しましょう。
メールマーケティング
メールマーケティングもリードナーチャリングできる手法の一つとなります。
メールマーケティングは、同じ文章を不特定多数に送るメルマガとは違って、リードの状態に合わせてメールの文章や送るタイミングを変えて送信する方法になります。
こう聞くと、ひとつひとつ送るの大変そう…と思われますが、メール配信ツールを活用することにより自動で送信できますので、そこまで手間はかかりませんので、リードごとの状態に合わせて最適なコンテンツを配信し、ホットリードに育てていきましょう。
ウェビナー・セミナーなどのイベント
ウェビナーやセミナーなどのイベントを開催して、リードナーチャリングする方法もあります。
これらのイベントを開催すると、リードとコミュニケーションを直接取れ、育成だけでなくリード獲得をすることも可能です。
昨今では、リアルで集まるセミナーや展示会の開催が新型コロナウイルスの影響により難しいため、オンライン上で開催できるウェビナーの活用が多くなってきました。ウェビナーの特徴として、オンラインで集まることができるため場所に制約がなかったり、会場を貸し切ることもしなくて良いため費用も抑えられたりできます。
リード獲得にもおすすめの方法です。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーを配布することもリードナーチャリングする手法になります。
ホワイトペーパーは、確度の高いリードが獲得できたり、育成できたりすることから導入している企業も増えてきております。
具体的には、リードの課題や問題に合わせた解決方法や役に立つ情報を記載しているコンテンツのことです。インターネット上でダウンロードできる点が特徴です。
ダウンロードするためには、個人情報を入力しなければならないため、購買意欲も高いリードが獲得できます。
ホワイトペーパーは、リード獲得に優れていると考えられますが、質の高い情報提供は顧客満足度の向上につながりますので、リードナーチャリングに活用できるというわけです。
最後に
今回は、ホットリードについての詳細を解説してきました。
ホットリードを獲得・育成することにより、購買に繋がりやすいだけでなく、営業やマーケティングを効率的に行えるというメリットがあります。
ただ、説明している通り、ホットリードは勝手に増えていくものでも、自然に発生されるものでもありませんので、様々な施策を活用して自社にあったホットリードを育成する必要があります。
その工数をかけてでも、営業・マーケティング活動を安定的かつ効果的に行うためにホットリード獲得は行うべきでしょう。
今まで、ホットリードなど考えず、リードとコミュニケーションをとっていた企業は、これを機に導入してみるのもいいかもしれません。