営業活動やマーケティングを実施していく際に、とても重要だと言われております。
多くの方が耳にした事があると思いますが、実際にどういう意味かご存知でしょうか?
ターゲティングをただ単に「ターゲットを決めること」と考えていると、戦略にズレが生じてしまい、結果として売上や利益に繋がりにくくなります。
今回は、そもそもターゲティングとは?やターゲティングの重要性、具体的なフレームワークを解説を行っていきます。ぜひ、ご参考にしていただければ幸いです。
ターゲティング|自社商材のメインターゲットを設定する
マーケティングや営業活動には、とても重要と言われる要素があります。
それが「ターゲティング」になります。
ターゲティングを行わない場合、どのようなお客様へ販売するか明確になっていないため、営業戦術がはまらなかったり、成果が出にくくなります。蔑ろにしてはいけない重要なことになります。
営業戦略と密接に関わり合っているターゲティングについて解説していきます。
ターゲティングとは
ターゲティングとは、商品やサービスを販売していく顧客(ターゲット)を絞り込むことを言います。
この顧客とは、例えばBtoB(対企業)やBtoC(対個人)でも変わりますし、企業相手の場合、業界・業種・拠点・資本金・従業員数等の要素や、個人相手の場合は、年齢・性別・居住地・家族構成・職業等様々な「顧客」が存在します。
販売していく商品・サービスは、上記の全ての顧客から求められるわけではないので、市場の中で複数のグループ(セグメント)に分けていき、もっとも自社の商品やサービスにニーズが高いと考えられるグループを設定することがターゲティングといいます。
このターゲティングによってその後の戦略・戦術は変わってきますので、素早く正確なターゲティングを行なっていく必要があります。
ターゲティングの重要性は業務の効率化
ターゲティングを行なっていない会社の方が少ないと思いますが、ターゲティングを行う重要性とは何でしょうか。
前述でもお伝えしたように、顧客といっても企業や個人などのように様々な形があります。
それら全てを同じアプローチの方法で営業して行ったとしても成約率は少なく、さらに営業するためのコストも非常にかかってくるため、非効率と言わざるを得ません。
同じアプローチではなく、営業戦術を変えて行なったとしても、対象となる顧客が定まっていない為、対処方法もわからず、人的コストも無駄になってしまう悪循環になります。
その為、全ての顧客を対象に営業活動を行なっていくのではなく、自社の商品・サービスに対してニーズがある・必要とされている市場を分類化・特定し営業・マーケティングを行なっていくことが重要となります。
そうすることにより、営業活動の効率化はもちろん、成約率をあげることができます。
営業活動において、ターゲティングを行うメリットは?
ターゲティングはマーケティングで実施される事が多いのですが、営業活動においてターゲティングを実施するメリットはあるのでしょうか?
営業活動にフォーカスを当てて、メリットについて紹介していきます。
効率的な顧客獲得
訪問営業が一般的だった以前までの営業活動は、よく「足で稼げ」と言われておりました。
この足で稼ぐという言葉の意図は、「手当り次第1件1件訪問して、顧客獲得をしてこい」になります。
この手当り次第1件1件訪問するという行動は非常に効率が悪く、アポイント獲得率や成約率が低くなってしまいます。
ただ、ターゲティングを実施することにより、自社の商材に最適なターゲットを絞ることができ、そのターゲットに対してアプローチをかけることで効率的な営業活動を行うことが可能になります。
スマートかつ正確な顧客獲得を行うためにも、ターゲティングは必要不可欠というわけです。
属人的な営業ではなく、組織としての営業活動のサポートになる
前述したような手当り次第訪問させるような営業スタイルだと、個人の営業力に頼った属人化が進んでしまいます。なぜかというと、業種も業界も規模も全く違うターゲットに対して営業を行うため、トークや切り返し、提案内容などを臨機応変に変えていかなければならないからです。
そのような営業スタイルだと、トップ営業マンに依存した企業になってしまいます。
人材を長期間雇用しておくことが難しい現代では、属人化した営業組織というものはリスクが大きいです。
ただターゲティングを実施して、アプローチするターゲットを絞ることにより、アプローチの方法やトークを統一することが可能になります。
営業全体でトークスクリプトを用意して、営業力を均等にすることで属人的ではなく組織一丸となった営業活動を行うことが出来るでしょう。
STP分析とは|ターゲティング単体では機能しない
ターゲティングについてお伝えしてきましたが、ターゲティングはそもそもマーケティング戦略の一つです。もちろん、ターゲティング単体で機能しません。
そのターゲティングを最大限の効果を発揮させる為には、STP分析を行なっていく必要があります。
STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字をとった、市場環境や商品・サービスの特性等を分析し売り上げ向上を行うためのマーケティングフレームワークになります。
STP分析の重要性
STP分析は、効率的に売り上げ向上をしていくという目的のもと行います。
どれほど良い商品であっても、ターゲットとなる顧客に認知をされなければ販売できませんし、ターゲットを広く設定しすぎると誰からも必要とされない・刺さらない商品になる可能性もあります。
商品を販売していくにあたり、ターゲット選定や自社の市場でのポジショニングを行い、効率的に売り上げを向上していく為には、STP分析は重要な欠かせない手法になります。
Segmentation(セグメンテーション)について
セグメンテーションは、顧客のニーズ・属性を分析・把握することです。
セグメンテーションはさらに4つに細分化されております。
人口動態変数
人口動態変数はデモグラフィック変数とも呼ばれ、市場や顧客を細かく分類分けし、どの属性の人がどういう商品やサービスを購入しているのかを分析します。
主に下記の情報を元に分析します。
- 性別
- 年齢
- 家族構成
- 職業/収入
- 最終学歴
地理的変数
地理的変数はジオグラフィック変数とも呼ばれ、顧客の居住地や活動地域などによってのニーズの違いを分析していきます。例えば、日本だけで見ても寒冷地と温暖な地域では、住宅の構造が違います。海外を含めるのであれば、さらに大きく異なってきます。
主に下記の情報を元に分析します。
- 国
- 気候
- 文化
- 宗教
- 人口
心理的変数
心理的変数はサイコグラフィック変数とも呼ばれ、人々の心理を考え分析していきます。同じ家事をする方でも、丁寧な暮らしが好きな専業主婦と子供がおり働いている主婦では、食材や調理器具のニーズは全く変わってきます。
主に下記の情報を元に分析します。
- 価値観
- 購入動機
- ライフスタイル
行動変数
行動変数はビヘイビア変数とも呼ばれ、顧客の行動記録を元に分析する方法で、いつ、どこで、何が売れたのかを分析し効果的なマーケティング施策を打てるようにします。
主に下記の情報を元に分析します。
- 購入の回数
- 購入のプロセス
- 購入時のベネフィット
- 利用経験
Targeting(ターゲティング)について
ターゲティングで、ターゲットのペルソナを設定していきます。
設定方法は、3Cと6Rの視点で行なっていくことが一般的です。3C
Customer(顧客) | 細分化しているターゲットグループにおける市場規模や成長性、収益性 |
Company(自社) | 営業戦略・マーケティング戦略さらにはブランド性とマッチしているか |
Competitor(競合) | 競合他社の規模や企業数、強み弱みについて6R |
Realistic Scale(市場規模) | ターゲットとしている市場は、事業活動を行なっていく上で収益性が見込めるか |
Rate of Growth(成長性) | 市場規模の現在の大きさではなく、今後もターゲットの市場は成長をしていく見込みがあるか |
Rank/Ripple Effect(優先順位と波及効果) | 顧客にとっての商品やサービスの優先順位の確認と、周りの顧客や市場にも売り上げが見込めるかどうか |
Reach(到達度) | 顧客にきちんとマーケティング施策が届けることが可能かどうか |
Rival(競合) | 競合他社の数や規模、自社における競合と比べた際の優位性の確認 |
Response(反応) | マーケティング施作を行って、その反応を測定することができるか |
以上の観点でターゲティングを行い、あまり収益性がない等感じたら、別のターゲットを狙いましょう。
Positioning(ポジショニング)について
STP分析最後はポジショニングになります。
競合他社と競っていく際、自社の優位性で差別化をし、明確な分かりやすい立ち位置を設定していくことをポジショニングといいます。
- 顧客にとってメリットや利便性など魅力的な商品・サービスかどうか
- 競合の企業と比べて、優位性のある商品・サービスかどうか
というように、「ターゲットの顧客に選ばれる理由」を明確化することが重要です。
最後に
いかがでしたか?
ターゲティングをしっかりと行うことによって、営業活動・マーケティング活動を効率的に実施することが可能になりますので、企業にとって有効的な施策と言えるでしょう。
ただ、STP分析のように分析を行った上でターゲティングを実施しなければ、その効果を受けることはできません。今まで、なんとなくでターゲティングを行ってきた企業や一切行ったことがない企業は、この機にターゲティングを実施してみることをおすすめします。