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ペルソナとは?ペルソナの意味や設定・マーケティングでの活用方法について解説!

ペルソナって聞いたことありますでしょうか?
マーケティングに携わっている方であれば、ほとんどの方が聞いたことあると思います。
ペルソナと何気なく使っているものの、実際にどういうものなのか知っていない方や設定方法を知らない方等、今更聞けない…という方も少なくないのではないでしょうか?

さらに、ターゲットとの違いについてもよく理解していない方もいると思います。
今回の記事では、ペルソナの基本的な知識や、重要性、設定方法、マーケティングでの活用方法など詳しく解説していきます。
ぜひ、ご参考にしていただければと思います。

ペルソナ(persona)とは?

ペルソナ(persona)とは?

ペルソナ(persona)とは、マーケティングの概念で「商品やサービスの典型的なユーザー像」のことです。分かりやすくお伝えすると、「自社商材を買って欲しい顧客の特徴」になります。

そして、ペルソナの設定では、商品・サービスの企画・開発から販売までの一連のマーケティング戦略を立案するために、実際に存在しているかのように様々な要素を設定していきます。具体的には、年齢や性別、居住地、職業、年収、趣味、価値観、家族構成、ライフスタイル、休日の過ごし方、詳細な生い立ち…等の詳細なデータを設定していきます。

ペルソナとターゲットの違いについて

ペルソナとターゲットの違いについて

マーケティングで良く活用される用語で、ペルソナと似ている用語で「ターゲット」という言葉があります。同じような意味合いの為、混同している方も多いと思いますので、その違いについて解説をします。

自社の商品やサービスのユーザー像を考えていくという点では、ペルソナとターゲットは同じなのですが、ユーザー像をどこまで深く考えるか・設定するかという点が違います。ターゲットよりペルソナのほうが、より解像度高くユーザー像を設定していきます。

ペルソナ・ターゲットの具体例

具体例としては、下記のようになります。

ターゲット
  • 30〜40代
  • 女性
  • ビジネスウーマン
  • 仕事帰りに自炊する方
ペルソナ
  • 吉田由香
  • 32歳
  • 女性
  • 東京丸の内で働くOL
  • 夫・長男(6歳)の3人家族
  • カフェ・イタリアン巡りが趣味
  • SNSで簡単かつ拘った料理が作れるアカウントをチェックしている
  • 自分では作った料理を上げるSNSアカウントを持っている
  • 友人・知人とはLINE・Instagramでやり取りをする事が多い

上記の例の通り、ターゲットは大まかなユーザー像を設定することに対して、ペルソナでは実際に存在しているかのように様々な要素を設定していきます。

ペルソナ設定のメリット・重要性

ペルソナ設定のメリット・重要性

ペルソナを設定することによるメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は、ペルソナ設定によるメリットを3つ解説致します。

別の担当者とも共通した認識を共有できる

一つのプロジェクトでは様々な部門の担当者が一つのチームとして動くことが多いと思いますが、その際に各担当者との間で認識が違っていると、効果的な施策が行えなかったり、無駄な工数が発生したりなどのリスクが生じてしまいます。
ただ、ペルソナを設定することにより、別の担当者と共通の認識を共有することができ、プロジェクトを効率的に進めていくことが可能となります。

顧客視点での精度を向上できる

詳細な要素や情報まで設定したペルソナは、架空の人物ではあるものの1人の人格のようなものです。その人物の課題解決やニーズを満たせるよう商品・サービスを考えていくことにより、その他多くのユーザー(顧客)の課題解決・ニーズを満たすことにも繋がり、結果として顧客視点の精度を向上させられます。
ユーザーからの観点から考えていき、ユーザーが本当に求めているものを商品・サービスへ集約することができれば、商材の完成度を向上でき売上拡大にも繋がります。

費用や時間を削減することが出来る

ペルソナ設定により、商品・サービスの典型的なユーザー像を的確にすれば、プロジェクト方針をより明確化させることができます。
方針を明確化できれば、効果的なアイデアのみを集約したり、効率的なマーケティング施策を立案したりすることが出来る為、実施をするために発生するコストや作業時間を削減することが可能になります。

ペルソナ設定時の項目

ペルソナ設定時の項目

「ペルソナを作成してみて」と言われたとしても、何を設定していいか分からない為、作成することは難しいです。ここでは、ペルソナの設定時に必要となる項目を解説していきます。

まず、前提としてBtoCビジネス」と「BtoBビジネス」では、項目が変わりますのでそれぞれ解説していきます。

BtoCビジネスのペルソナ設定時の項目例

BtoCビジネスの場合、対象となるユーザーの基本情報から現在の状況(ライフスタイルや家族構成等)を設定していきます。

BtoCビジネスのペルソナ例

  • 吉田由香
  • 32歳
  • 女性
  • 東京丸の内で働くOL
  • 夫・長男(6歳)の3人家族
  • カフェ・イタリアン巡りが趣味
  • SNSで簡単かつ拘った料理が作れるアカウントをチェックしている
  • 自分では作った料理を上げるSNSアカウントを持っている
  • 友人・知人とはLINE・Instagramでやり取りをする事が多い

など、ここまで必要?と思うくらい設定しましょう。

BtoBビジネスのペルソナ設定時の項目例

BtoBビジネスの場合は、一人の考えや都合のみで購買が発生するものではないです。
ほとんどの場合、購買に関わる人物は大別して2種類の人物がいます。情報収集をしている担当者最終的な意思決定をする決裁者(組織)です。

その為、担当者である個人と決裁者である組織の両方を考慮・設定して、初めて顧客を知る事ができるのです。

BtoBビジネスのペルソナ例

担当者である個人▼

  • 担当者の役職
  • 抱えている課題や問題
  • 情報収集の手段
  • 対象の商品・サービス導入に対する決済権
  • 所属部署・部署の人数
  • 性別・年齢
  • 仕事の内容やスタイル・仕事で重要としているもの

など

決裁者である組織▼

  • 企業の業界・業種・規模
  • 事業全体の課題や問題
  • 組織としての課題や問題
  • 実現したい目標・ゴール

など

ペルソナの設定方法

ペルソナの設定方法

続いて、具体的なペルソナの設定方法について解説していきます。

① 典型的なユーザー像に関する情報を収集

初めに、ユーザー像を作成するために、必要となる情報を収集していきます。
具体的な収集方法としては以下のようなものがあります。

  • 既存顧客へのアンケート・インタビュー
  • 営業担当(営業現場)へヒアリング・インタビュー
  • 社内で保有している顧客データの分析
  • 政府・シンクタンク等を活用して分析
  • インターネット(検索エンジン・SNS等)での調査

まずは、既存顧客の声を聞くのが良いです。生の声というのはとても貴重なデータとなりますので、積極的に収集していきます。さらに、営業担当や現場へヒアリングをするのも良いです。どのような顧客が購入に繋がりやすいか、顧客の反応はどうか等のデータを得られる可能性が高いです。

その他は、顧客データや政府が公開しているデータ、インターネット上で収集するのも良いです。

② 収集した情報の整理

続いて、①で収集しましたデータ・情報を整理していきます。
収集した多くのデータ・情報の中から、ペルソナの設定に必要なものと不要なものを分けたり、項目別に分けたりしていき、情報を絞っていきます。

③ ペルソナ設定

最後に、整理したデータ・情報からペルソナの設定をしていきます。
理想としては、ペルソナの人物の顔が想像できる状態へすることです。

このような人に会ったことある・こんな人いるというまで、鮮明な想像が出来るためには、次で紹介する項目・内容を設定していきましょう。

ペルソナ設定時の主な項目

ペルソナ設定時の項目でもお伝えしましたが、以下のような項目を設定知る事により、具体的なユーザー像を描くことが出来ます。

  • 性別
  • 年齢
  • 居住地
  • 仕事(役職・業務内容・勤務先住所等)
  • 金銭面(収入・貯蓄等)
  • 学歴(最終学歴等)
  • 趣味・趣向
  • 性格
  • 価値観
  • 家族構成
  • 不満や課題
  • ライススタイル(1日のサイクル・休日の過ごし方)
  • インターネット・スマホ利用状況や時間
  • 所有するデバイス機器

上記の項目を埋め、設定することができれば、最後に名前・顔(外見)の設定をしていきます。実際に写真を使う必要はありませんが、具体的にイメージしやすいようにイラストや画像を添えましょう。

上記は、BtoCビジネスの場合の設定項目になりますが、これらのような詳細な項目を設定することができましたら、そのペルソナのニーズや興味・関心に沿った内容のマーケティング戦略を立案したり、商品・サービスを企画したりしていきます。

ペルソナ設定時の注意点

ペルソナ設定時の注意点

マーケティング活動にとって、とても有効的な手段であるペルソナ設定ですが、その設定がズレていたり、精度が低かったりすると、効果は薄まります。
ここでは、ペルソナ設定時に注意すべきポイントについて解説を行っていきます。

固定観念や先入観を入れない

ペルソナ設定時によくある失敗例として、設定する担当者の固定観念や先入観が入ってしまい、ペルソナの精度が低くなるというものがあります。
定量データも設定しますが、数値ではない定性データも設定するペルソナでは、つい自らの考えやイメージが反映されるケースが多いでしょう。ただ、担当者の固定観念や先入観が入ったペルソナと、実際に購買行動を起こすユーザー(顧客)では、大きな乖離が生まれてしまうでしょう。

その為、精度の高いペルソナの設定を行うためにも、定性データを収集できるインターネット上に投稿されているクチコミやSNSやブログでのレビュー等をしっかり分析をして、客観的な視点から設定することが必要です。
その他にも、情報収集でお伝えした「既存顧客へのアンケート・インタビュー」や「営業担当(営業現場)へヒアリング・インタビュー」なども、貴重なデータを収集できますので、必ず実施しましょう。

ペルソナに必要な情報・データのみに絞る

ペルソナでは、代表的・典型的なユーザー像を一人分作成します。複数作成しません。
その為、大量に収集した情報やデータを一人分へまとめるのは困難ですので、本当に必要な情報のみに絞り、それ以外は切り捨てる必要があります。

関係する担当者全員がイメージできるペルソナ設定

どれだけ作り込んでペルソナの設定を行ったとしても、設定の担当者以外の関係する担当者が、そのペルソナを具体的にイメージできなければ、全く意味がありません。
そもそもペルソナを設定する目的として、典型的なユーザー像を関係する担当者全員で認識を共有することとなりますので、イメージができるペルソナ設定をする必要があります。

イメージしやすくするための方法としては、しっかりと項目を設定する以外にも、ペルソナの外見を写真やイメージを使って共有するなどもあります。

ペルソナ設定がゴールではない

ペルソナでは、典型的なユーザー像をよりリアルに設定をする必要がありますので、ユーザーの購買行動や現状、情報なども常に変化しておく必要があります。
設定が終了したら、それで終了ではなく、常にユーザー(顧客)の動向や変化へ目を光らせ、変化があればその都度ペルソナをブラッシュアップしていくことが、重要と言えます。

ペルソナマーケティング実施

ペルソナマーケティング実施

ペルソナ設定が完了しましたら、そのペルソナをマーケティング施策や戦略で活用していきましょう。

ペルソナを活用できるシーンは様々ございますが、今後実施していこうとしている施策や戦略を、より顧客へ沿わせたいシーンでペルソナはとても役立ちます。

具体的には、カスタマージャーニーを設定する際に、設定したペルソナが前提にあることで、具体的且つ現実的な設定をすることが可能になります。
または、コンテンツマーケティングを実施するにしても、ペルソナが設定されていれば、「〜〜さんならこういうコンテンツを好むかも」「こういう疑問があってこのキーワードを検索するだろう」といったように、ペルソナ目線で考えていくことで、対象としているユーザーへ沿った内容のコンテンツ制作が可能となり、最適なアプローチを実施することが実現できます

マーケティングでとても重要なことは、顧客やリードのニーズ・課題を的確に把握して、その解決策を提示できるように行動していくことです。
その点、ペルソナ設定をすることにより、顧客やリードをより深く理解することが可能になり、マーケティング戦略や施策の精度を向上させて売上に貢献してくれるでしょう。

購買行動の変化が激しい昨今において、ペルソナ設定はとても重要

購買行動の変化が激しい昨今において、ペルソナ設定はとても重要

今回は、ペルソナについて基本的な知識や重要性・メリット、設定方法について解説をしてきました。
昨今では、ユーザーの購買行動プロセスが大きく変化していたり、ニーズや課題も多様化していたりと、マーケティング活動が思うように行かない企業も多いです。

このような時代で、マーケティング活動を成功させるためには、顧客を今以上に深く理解することが必要不可欠となります。
ペルソナをしっかりと設定し、マーケティングで活用することにより、的確にニーズを把握することが出来、理解もしやすくなり、課題解決策をしっかりと提供する事が可能となるのです。

現時点でペルソナの設定を行っていない企業は、この記事を機に設定して頂き、マーケティング活動を成功させましょう。

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