
近年、凄まじい成長をしており、特に若者世代にとても利用されているTikTok。
これまで全世界で30億回ダウンロードされているアプリですが、そのTikTokで広告を配信することができます。
今回は、そのTikTok広告について詳しく解説をしていきます。
今でも人気のプラットフォームですが、これからも人気は伸びていくと考えられますので、ぜひご活用いただけたらと思います。
TikTokとは?

そもそも、あまりTikTokについて知らない方もいらっしゃるかと思いますので、解説をしていきます。
TikTokは、中国の企業であるByteDance(バイトダンス)社がリリースしているSNSプラットフォームです。
特徴としては、テキストではなくショートムービー(15〜30秒)の作成や投稿をユーザーが行い、閲覧ユーザーがリアクションをすることになります。
撮影の際は、0.3倍速〜3.0倍速まで速度を変更させたり、おしゃれなフィルター機能、メイクをしたような顔にできる「メイク機能」、BGMを豊富にある中から選べたりでき、オリジナリティ溢れる動画が多くあるアプリになります。
TikTokの利用ユーザー
月間のアクティブユーザーは、全世界で8億人おり、日本内では950万人程(2018年)で、今はさらに増えてきていると予想されております。
年齢層も、若年層が多いのですが、下の図のように40代〜60代も利用しているという結果も出ております。その多くは、視聴を目的としたユーザーですが、幅広く利用されているアプリになっています。

TikTok広告とは?

TikTok広告とは、上記でご説明したTikTokアプリやその他プラットフォームへ広告を配信することが出来る広告サービスです。
ただ、TikTok広告は大きく分けて2種類あります。「純広告」と「オンライン運用型広告」です。
その2つの違いがよくわかっていない方もいるかと思いますので、ご説明します。
純広告

TikTok広告の純広告とは、一定額以上で購入した広告枠に対して広告配信を行います。
一般的なオンライン運用型広告とは違って、広告配信をするためには運営会社であるByteDance社か、純広告を扱っている代理店へ申し込む必要があります。
さらに、オンライン運用型広告は予算額を調整できるのですが、純広告の場合は出稿金額が数百万円〜数千万円かかる広告となります。
TikTok広告の純広告には、大きく分けて3つの広告メニューがございます。

- リーチプロダクト
- ハッシュタグチャレンジ
- ブランドエフェクト
それぞれ解説をします。
リーチプロダクト
リーチプロダクトは、更に4つに広告メニューがございます。
Top View
Top Viewは、1日に1社しか広告配信をすることができない広告メニューで、配信枠としては起動画面枠となっております。
TikTokアプリを起動してから、最初のインフォード動画として広告配信が可能です。
縦型のフル画面動画(60秒まで)として配信されます。
起動時に広告配信されるため、圧倒的にリーチを広げる事が可能となっており、約500万リーチ/日を期待できる広告となっております。
起動画面広告
Top Viewと同じで起動画面広告は、1日に1社のみしか広告配信できない広告メニューで、配信枠としては起動画面枠になります。
Top Viewと似ておりますが、TikTokアプリの起動時に必ずファーストビューとして配信されており、その表示形式は静止画や縦型フル画面広告となります。ただ音声は流れません。
Brand Premium
Brand Premiumは、ネイティブな動画広告を配信できる広告メニューです。
ユーザーとのタッチポイントを増やし相互関係性を深めることができ、コンバージョンを高める事ができます。
表示形式は、フルスクリーンの動画(最大60秒)、オリジナルスタイルのUIデザインを自動再生(音声つき)することが可能です。LP(ランディングページ)やアプリのインストールなどのアクション誘導に適しております。
One Day Max
指定した1日に限り、ユーザーの初接触するインフィード広告を配信できます。
特徴としては、自然にコミュニケーションが取れるので、クリックの質や視聴数が高くなります。
表示形式は、縦型のフルスクリーン動画(最大60秒)を、おすすめフィードの4ポスト目に表示させます。
ハッシュタグチャレンジ
ハッシュタグチャレンジとは、企業側が発信する広告コンテンツとなっております。
ただ、ユーザーの興味関心を軸として発信をするため、「共感」「参加」「拡散」などのUGCを生むことができ、多くのユーザーに対してブランド体験をさせることのできる広告となります。
ブランドエフェクト
ブランドエフェクトとは、先端のテクノロジーを活用し、2Dや3D、ARなどの多様なクリエイティブコンテンツを発信することが出来ます。
商品の性能やブランドの世界観などを、ユーザーへ体感してもらい、ブランド体験をさせることのできる広告となっております。
オンライン運用型広告

TikTok広告のオンライン運用型広告は、TikTok広告を配信している企業の約8割が利用しています。
純広告とは違って、運営会社や代理店を通さず、TikTok公式サイトから広告アカウントを作成すれば広告配信をすることが可能です。
純広告との違いについては、いくつかございますが、細かく予算設定をすることができるという点が最大の違いになります。
純広告の場合は、前述しましたとおり、数百万円ほど最低でもかかるところが、オンライン運用型広告では数千円からスタートすることができます。
実際に、今からTikTok広告を実施しようという企業に関しては、殆どの場合このオンライン運用型広告になるかと思いますので、ここからはオンライン運用型広告に絞ってお伝えしていきます。
配信先に関しては、TikTok広告の配信先を御覧ください。
TikTok広告を利用するメリット

次にTikTok広告を利用するメリットについて解説をしていきます。
メリットについては以下の3つです。
- ターゲティング
- 広告に対してのイメージ
- 制作
それぞれについて解説をしてきます。
ターゲティングの精度
TikTokは、高度の機械学習が組まれており、ユーザーによって配信される動画が最適化されております。例えば、動画別の視聴時間や視聴の嗜好等によって、高精度のユーザー配信が可能となっております。
広告に関しても、このAIを活用したターゲティング利用できますので、精度が高く訴求したいユーザーへ広告配信を行うことができます。
広告に対してのイメージ
TikTokのユーザー特徴として、目的を持ってTikTokを見ているわけではなく、目的を持たず「回遊」するユーザーが多いです。その他のSNSでは、フォローしているユーザーの投稿を見ること等のコミュニティがベースとなったプラットフォームが多かったのに対して、TikTokは特徴的なSNSと言えます。
通常の目的を持ったユーザーに対して、広告配信をすると目的とは違うため、広告に対して鬱陶しいイメージを持ってしまうでしょうが、目的がないユーザーに関しては、広告に対してマイナスなイメージは少ないとも多いと思いますので、効果は高まるでしょう。
クリエイティブの制作が簡単
TikTokでは、動画等のクリエイティブの制作がとても簡単にできるように多数のテンプレートが用意されています。
そのため、企業内で作成をすることもできますので、他社に依頼せずとも動画を制作して配信をすることができますので、安く広告配信ができます。
TikTok広告の配信先

TikTok広告(オンライン運用型広告)では、主に3つの配信先があり、それぞれに広告を配信することができます。
TikTok
まずは、TikTokアプリです。
TikTokではインフィードと呼ばれるタイムラインにのみ配信をすることができます。
このインフィードでは、「フォロー中」のフォローしている人の投稿欄と「おすすめ」と呼ばれる興味関心や今までの視聴履歴に合わせて、リコメンドされる投稿欄がありますが、広告では「おすすめ」に表示されます。

Buzz Video
Buzz Videoは、TikTokを提供しているByteDance社が提供しているプラットフォームになっております。こちらもユーザーに合わせて動画を配信するサービスですが、ユーザー層はTikTokとは全く違っております。
Buzz Videoは35歳以上のユーザーが全体の82%で、男性のユーザーが89%という層になっております。女性ユーザーが少なく、ミドル層の男性がとても多いプラットフォームです。
Buzz Videoでは、3箇所表示されます。インフィード・ポストロールと呼ばれる動画の最後に登場する箇所・動画の詳細ページになります。

Pangle|パングル
Pangleは、様々なタイプのアプリに広告を配信することができる広告のプラットフォームになります。
モバイルのゲームアプリや、音楽アプリ、経路案内、漫画アプリ等様々なアプリで配信ができ、全ネットワークで1日あたり約5,100万人以上が利用する大きな媒体となっております。
Pangleでは、4種類の広告フォーマットがあり、リワード動画広告・インターステイシャル動画広告・ネイティブ広告・プレイアブル広告です。アプリのインストールや、利用ユーザーの課金促進等を行うことができるため、アプリの広告が向いております。

TikTok広告のオーディエンス

TikTokではオーディエンスを作成し、ターゲティングを行なっていきます。
オーディエンスには以下の2つがあります。
- カスタムオーディエンス
- 類似オーディエンス
それぞれについて解説いたします。
カスタムオーディエンス

カスタムオーディエンスを活用してターゲティングを行うと、フォロワーの増加やリマーケティング、ニーズが潜在的にあるリードへのリーチ、アプリのエンゲージメント向上等が可能となります。
カスタムオーディエンスでは、以下の5つから選択することができます。

カスタムファイル
カスタムファイルでは、独自で保有しているファイルをアップロードし、TikTok内で重複しているアカウントがあった場合、オーディエンスが作成されます。
その際アップロードできるデータはIDFA(Identifier for Advertisers:Appleユーザーの広告識別子)かGAID(Google Advertising ID:Googleユーザーの広告識別子)になり、ファイル形式は、TXTかCSVになります。

広告エンゲージメント
設定をしたエンゲージメントイベントのオーディエンスを作成できます。
エンゲージメントイベントは、インプレッションや2秒動画視聴、クリック等から選ぶことができ、期間は最短7日から最長で180日の間で選択を行えます。
写真のようにエンゲージメントイベントを設定した場合は、設定した広告セットの広告を過去7日以内にクリックを行なったアカウントのみオーディエンスを作ることができます。
反対に、指定したイベントを行なったユーザーを除外設定することもできます。

アプリイベント
アプリイベントでは、アクションと期間を設定しその条件にマッチしたアカウントをオーディエンスとして設定を行うことができます。
アクションでは、アプリインストールや支払い情報追加、アプリを起動、ログイン、チュートリアル完了等詳細に設定を行うことができ、期間は広告エンゲージメントと同じく7日〜180日の中より選択を行うことになります。

ウェブサイト閲覧者
ウェブサイトの閲覧者では、ウェブサイトのイベントと期間を設定しその条件にマッチしたアカウントをオーディエンスとして設定することができます。
アクションでは、ページビューやお問い合わせ、ユーザー登録、ボタンのクリック、フォーム送信等の詳細まで設定をすることができ、期間は7日〜180日の間で選択できます。
除外設定にすることも可能です。

リード獲得
リード獲得の広告で、フォームを送信または、フォームを閲覧したアカウントでオーディエンスを作成することができます。
除外設定にすることも可能です。

類似オーディエンス

既に設定したカスタムオーディエンスを基にして、条件を追加しマッチした類似オーディエンスを作成することができます。

ソース
既に設定してあるカスタムオーディエンスを選択できます。
オーディエンスソースを含む
ソースで選択したオーディエンスを含むか含まないかを選択できます。含まないを選択した場合、ソースで選択したオーディエンスを除外したオーディエンスにすることができます。
OS
配信を行うアカウントのOSを設定できます。すべて・Android・iOSから選択できます。
プレースメント
TikTok・TopBuzz&BuzzVideo・Pangleから選択を行います。
ロケーション
配信を行うアカウントの地域を設定できます。
※広告自体の配信地域と一致するように設定する必要があります。
オーディエンスサイズ
類似オーディエンスで設定する拡張サイズを選択できます。
狭い・ノーマル・広いから選択でき、狭いほどカスタムオーディエンスとの類似度が高く、広いほど類似度は低いです。推奨のサイズは10,000人になります。
TikTok広告のターゲティング

前述をした、カスタムオーディエンスや類似オーディエンスのほかに、配信対象の詳細を設定できます。
一つずつ紹介をしていきます。
ユーザーリスト


ユーザーリストでは、カスタムオーディエンスや類似オーディエンスを設定すると、そのオーディエンスを含めるか除外するを選択できます。
もともと配信をしていた広告のオーディエンスとは別のユーザーに配信をしたい場合等に設定できます。
デモグラフィック


ロケーション
ロケーションでは、配信するアカウントの地域を設定できます。
県単位で設定をすることも可能ですが、市区町村では検索してもヒットしません。
性別
性別ではアカウントの性別を設定できます。
無制限・男・女から選択が可能です。
年齢
年齢の指定も可能です。
無制限・13-17・18-24・25-34・35-44・45-54・55+から選択が可能です。
無制限以外は複数選択可能です。選択次第では、「13-24歳と45歳以上」の組み合わせも可能です。
言語
言語の指定も可能です。無制限と41ヶ国語から選択を行うことができます。
興味&行動ターゲティング


興味関心を追加
ここでは、アカウントの興味関心を指定することができます。
教育や金融、メークアップ/スキンケア、ゲーム、飲食・グルメ、アプリケーション等の15カテゴリーから選択を行えます。
行動カテゴリーを追加:動画インタラクション
設定したカテゴリーの動画にエンゲージメントをしたアカウントの指定を行えます。カテゴリーは12種類から選択できます。
定義と期間を設定でき、定義では最後まで視聴済み・いいね付き・コメント付き・共有済みの中から、期間では、過去7日・過去15日で設定することができます。
行動カテゴリーを追加:クリエイターインタラクション
設定したカテゴリーのクリエイター(アカウント)をフォローもしくは、プロフィールの閲覧をしたアカウントの指定を行えます。
カテゴリーは27種類から選択を行うことができ、インタラクションの定義もフォローした・プロフィールを閲覧したの中から選択できます。
デバイス


OS
配信をするアカウントのOS指定ができます。
無制限・Android・iOSから選択可能です。
システムバージョン
システムバージョンでは、利用しているデバイスのシステムバージョンを指定できます。
無制限・Android・iOSのバージョンを選択できます。
デバイスモデル
デバイスモデルでは、利用しているデバイスのモデルを指定できます。
20メーカーの中から選択をすることができ、機種名まで指定できます。
通信環境
通信環境では、ユーザーの利用している通信環境を指定できます。
無制限・WiFi・2G・3G・4Gの中から選択を行えます。
キャリア
ユーザーが利用していう通信キャリアを指定できます。
無制限・au・NTT docomo・SoftBankの中から選択可能です。
デバイス価格
利用しているデバイスの価格を指定できます。(Pangleでは設定できません。)
無制限・特定の範囲から選択ができ、特定の範囲を選択しますとデバイスの価格を設定できます。
配信対象の拡大

配信対象の拡大では、設定したターゲティングにて広告を配信を行い、その際にさらに広告のパフォーマンスが向上すると判断された場合に、類似したターゲティングにまで範囲を拡大させ広告配信を行うかどうかを選択できます。

最後に
今回はTikTok広告の基礎をお伝えしました。
実際に、ユーザー層は若年層が多いため、若年層にうける商材やサービスであれば大きな成果をあげることができるでしょうし、幅広い年代で利用されてもいますので、今後さらに多くの方に広告を届けることができるため、今のうちに知識として持っておいても損は一つもないでしょう。
次回もTikTok広告のキャンペーンや課金システムについて解説をしていきますので、お楽しみにしていただけたらと思います。