
前回はTikTokの基礎的な情報をお伝えしてきました。
まだ、確認できていない方はご確認ください。
今回は、実践的な内容まで踏み込んで解説をしていきます。
目次
キャンペーンの目的【TikTok広告】

広告を配信する目的を設定していきます。
目的は下の5つの中から選択します。
- リーチ|ブランド認知
- トラフィック|購買意向
- アプリインストール|購買意向
- 動画視聴|購買意向
- コンバージョン|コンバージョン
それぞれについて解説をしていきます。
ブランド認知

ブランド認知では、自社のブランドや会社自体の認知を広めていき、ユーザーに親しみを持ってもらうことを目的として行なっていきます。
リーチ
リーチでは、より多くのオーディエンスへ広告配信を行なっていくため、新商品やサービスのリリース時、会社の立ち上げ時等の認知を広めていきたい際に行うと良いです。
商品やサービスに対する認知度を向上させることができます。
購買意向

購買意向では、自社のブランドや会社自体の認知を広め、そのビジネス、商品・サービスについての情報を求めてもらうことが目的として行なっていきます。
トラフィック
自社で運営しているホームページや、商品・サービスのランディングページ、ブログ、アプリ等のリンクへ誘導する際に利用します。
トラフィックの誘導先をウェブサイトかアプリダウンロード先に設定できます。
既にアプリをインストールしているユーザーをターゲティングしたい場合は、「カスタムオーディエンス」でこれまでにアプリインストールした人でオーディエンスを作成します。
アプリインストール
広告内で、アプリの概要や説明を行い、インストールできるアプリストアへ誘導する際に利用します。
アプリのインストールをトラッキングをしていくために、最低1つサードパーティ計測ツールを利用しておく必要があります。
動画視聴数
ユーザーが動画を視聴するように誘導する際に利用します。
視聴時間の長い動画では、ユーザーの商品やサービスの認知度を向上させることができます。
コンバージョン

コンバージョンでは、自社の商品やサービス・ビジネスに対して興味関心を持っているユーザーに対して、商材の購入・申し込み・利用を促すことを目的として行います。
コンバージョン
ユーザーに取ってもらいたい行動をしてもらうように誘導する際に利用します。
アプリのダウンロードやユーザー登録、商品・サービスの購入、カートへ入れる等の行動を促進できます。
運営しているウェブサイトにTikTok Pixel(サイト訪問者にリターゲティングが行えたりサイト上の行動をトラッキングできるコード)を設置する必要があります。
TikTok Pixelによってトラッキングを行い、サイト上で購入したことのあるユーザーへリターゲティングを行う場合、「カスタムオーディエンス」で、ウェブサイトにアクセスした又は、特定のアクションをした人でオーディエンスを作成します。
ビジネスやそのフェーズによって、キャンペーンの目的は変化していくため、一番マッチしている目的を選択していく必要があります。
TikTok広告の入札タイプ

TikTok広告における入札タイプの詳細を解説していきます。
TikTok広告では、下記の設定をすることが可能です。
- 入札方式
- 入札戦略
- 推奨入札価格
それぞれについて解説を行っていきます。
入札方式【TikTok広告の入札タイプ】

プロモーションの目的や戦略によって、入札方法が変わってきますが、TikTok広告の場合でも、様々なタイプの入札方法が用意されております。
TikTok広告マネージャーで選択できる入札方法は以下4つになります。
- CRM|インプレッション課金型
- oCPM|最適化インプレッション課金型
- CPV|再生課金型
- CPC|クリック単価型
それぞれについて解説していきます。
CRM|インプレッション課金型

CPMでは、広告の表示回数1,000回あたりのコストを入札していく方法になります。
この方法では、広告の配信回数を上げ、予算内で最大限のユーザーへリーチを広げることができます。
計算方法
コスト÷インプレッション数×1,000
課金のタイミング
インプレッション発生ごとに費用が発生
選択できるキャンペーン
リーチ
oCPM|最適化インプレッション課金型

oCPMでは、広告の表示回数1,000回あたりのコストを入札していく方法になります。
この方法では、アプリのインストールをする可能性が高いユーザーや、コンバージョンにつながりそうなユーザーを対象として広告を配信していきます。
計算方法
コスト÷インプレッション数×1,000
課金のタイミング
インプレッション発生ごとに費用が発生
選択できるキャンペーン
コンバージョン(デフォルト)、アプリのインストール(デフォルト)
CPV|再生課金型

CPVでは、2秒又は6秒の動画1,000回再生あたりのコストを入札していく方法になります。
この方法では、予算内で動画の再生回数を最大限増せるよう配信を行なっていきます。
計算方法
コスト÷視聴回数×1,000
課金のタイミング
2秒間の視聴・6秒間の視聴・最後まで視聴ごとに費用が発生
選択できるキャンペーン
動画視聴
CPC|クリック課金型

CPCでは、1クリックの広告単価を入札する方法です。
この方法では、クリックをする可能性が高いユーザーに配信を行います。
計算方法
コスト÷クリック数
課金のタイミング
クリック1件発生ごとに費用が発生
選択できるキャンペーン
トラフィック、アプリのインストール、コンバージョン
入札戦略【TikTok広告の入札タイプ】

入札戦略では、予算の中で広告単価をどのように管理をしていくか、予算をどう利用するか、広告の配信方法を決定することができます。
入札の上限

広告によって得られる結果に対して、広告のシステムが支出する広告の入札額の上限を設定します。
ここで、入札できる最大単価を指定を行い、システムがその設定した単価に準じて広告を最適化していきます。
対応している目的
トラフィック、リーチ、動画視聴、アプリインストール、コンバージョン
※最適化目標の設定がクリックの広告セットでは、アプリインストールでのみ利用できます。
※コンバージョンの場合、プロモーションタイプが「ウェブサイト」・最適化目標が「クリック」の場合のみ利用できます。
対応している入札方法
CPC(クリック課金型)、CPM(インプレッション課金型)、CPV(再生課金型)
推奨ケース
平均単価を入札額より低く抑えたいケースで利用できます。
戦略の内容
結果達成のためにシステムが支出する入札額の最大値になります。
単価への影響
入札額より低くなります。
予算への影響
十分に使用されない可能性があります。
上限コスト|最大単価入札

最大単価入札を利用して広告配信を行いますと、達成しようとしている成果の平均単価が設定されます。
対応している目的
アプリインストール、コンバージョン、リードジェネレーション広告
※最適化目標の設定がコンバージョンの場合は、コンバージョンでのみ利用できます。
対応している入札方法
oCPM(最適化インプレッション課金型)
推奨ケース
平均単価を入札額と同じくらい又は入札額より低く抑えたい場合に利用できます。
戦略の内容
結果達成のためにシステムが支出する入札額の平均額になります。
単価への影響
実際には、単価は日々変動していきますが、総合的な平均値では入札額と同じくらい又は低くなります。
予算への影響
十分に使用されない可能性があります。
最小単価入札

最小単価入札を利用して広告配信を行いますと、入札が必要なく、最大限の成果を最小の単価で生成を行なっていきます。
対応している目的
トラフィック、リーチ、動画視聴数、アプリインストール、コンバージョン、李―ドジェネレーション広告、カタログ販売
対応している入札方法
CPC(クリック課金型)、CPM(インプレッション課金型)、CPV(再生課金型)、oCPM(最適化インプレッション課金型)
※最小単価入札では、入札額を設定する必要がないです。広告セットの予算内で最大限の成果を生成します。
推奨ケース
予算を全て消費して、予算内で最大限の成果を得る際に利用できます。
戦略の内容
予算内で最大限の成果を出せるように入札をせずに広告を配信していきます。
単価への影響
実際には、単価は日々変動していきますが、常に最小の単価で配信を行なっていきます。
予算への影響
十分に使用されることが期待できます。
CPAが明確に決まっている場合は、CPAを一定もしくは設定以下にしてくれる「最大入札単価」や「入札上限」がいいですが、この2つの場合は設定した単価にて獲得できないとシステムで判断された際には広告配信がされずに露出が減ってしまう可能性があります。明確に決まっていない場合は、「最小単価入札」を利用することをお勧めします。
推奨入札価格【TikTok広告の入札タイプ】

推奨入札価格は、oCPM(最適化インプレッション課金型)でのみ対応している最適化ツールになっており、広告の設定や配信の履歴に基づき、AIの活用により、最も最適な入札価格の提案を行ってくれます。
TikTok広告のポイント

それでは、TikTok広告を運用していく上で、成果を上げやすくするためのポイントをいくつか紹介していきます。目的によっては、ポイントが変わる場合もありますので、一つの例としてご活用ください。
設定でのポイント
週50件のコンバージョンが必要(広告セットごとに)

広告セットごとに学習が行われ、最適化されていきます。
学習のため、広告セットごとに週に50件以上のコンバージョンを獲得していく必要があります。
オーディエンスの設定を詳細にして、オーディエンスごとに広告セットを分けて広告配信を行いますと、週50件のコンバージョンが集まらずに学習を行えない結果に陥ってしまいます。
そのため、広告セットを詳細に分けたりしないようにしましょう。
それと、商品やサービスがそもそもコンバージョンの集まりにくいようであれば、マイクロコンバージョンを設定することも可能となりますので、学習ができるコンバージョンを集めることを心がけましょう。
週50件以上のコンバージョンが獲得できるまでは学習の期間で、その学習期間中に大きく広告の設定を変更してしまうと、学習自体が中断されてしまう危険性があります。そのため、その期間中は、むやみな設定変更(ターゲティングや入札額、予算等の大きな変更)を行わないようにしましょう。
ターゲティング

TikTok広告はその他SNS広告と同じように、詳細なターゲティングを行うことができ、広告配信には最適のターゲティングが必要ではあるのですが、あまりに詳細すぎるターゲティングでは配信量が少なくなってしまう可能性があり、成果が出にくくなります。
特に、そこまで予算を使えない場合では、余計な設定をせず配信を行い、配信結果である「オーディエンス分析」を確認して、ターゲティングを詳細にしていく方法をお勧めします。
クリエイティブのポイント
クリエイティブは9:16で作成する

TikTokは、ショートムービー特化のSNSですが、そのショートムービーはスマートフォンの縦型全画面をフルで活用した動画が主流です。
そのため、広告も縦型全画面の広告クリエイティブがマストです。
TikTokの調査では、広告の接触者・非接触者のなかで、横型画面と縦型画面の比較を行なった結果、横型画面の場合、広告の認知は18%・購入・利用意向は13%ですが、縦型画面の場合は、広告の認知が63%・購入・利用意向は34%と効果に差があったことがわかりました。

動画開始3秒が勝負

動画開始3秒以内に商品やサービスの紹介を行うことにより、購入や利用意向を向上させる効果があります。

上のグラフの通り、3秒以内に紹介をするかどうかによって、25%ほど効果が変わってくるため、必ず入れておくことをお勧めします。

ただ、広告の認知やブランド認知を目的としている場合は、3秒以内に紹介を入れない方が効果が高い結果となっているため、目的に応じて変更していきましょう。
最後に
今回は、TikTok広告のキャンペーンの目的や入札方法、おすすめのポイントをお伝えしていきました。
徹底的に解説をしたので、長い内容となっておりますが、必要な際にご覧いただければと思います。