リードジェネレーションという言葉をご存知でしょうか?
営業活動や、マーケティング活動中に行われるリードジェネレーションですが、詳細をご存知ではない方や正しい方法を知らない方は多いのではないでしょうか?
昨今では、新型コロナウイルスの影響もあって、飛び込み営業やテレアポなどが困難になってきております。
さらに、担当者と繋がれたとしても、すぐに断られることも多いでしょう。理由として、現在では様々な情報をインターネットから取得することが出来ますので、わざわざ営業マンから話を聞かなくてもいいからです。
上記のような複数の大きな変化の影響もあり、その中でビジネスを継続して成長させていくためには、従来までの営業手法やスタイルではなく、新たな営業戦略を立案し実行していく必要があります。特にWEBを活用したリード(見込み顧客)の獲得を行い、関係性を中長期的に継続・構築させていき成果へ繋げる取り組みが注目をされてきております。
そのリード(見込み顧客)の獲得を行う取り組みであるリードジェネレーションをうまく行うことができれば、顧客の獲得をスムーズに行うことができ、営業・マーケティング活動を一つ上の段階に進めていけます。
そのリードジェネレーションについて詳細を今回はお伝えしていきます。
リードジェネレーションとは
リードジェネレーションは、見込み顧客(リード)を獲得していくための活動を指します。
昨今では、聞く機会も増えており、実施している企業も多くあります。
このリードジェネレーションがうまくいくと、ターゲットとなる企業の調査や、管理をしていく作業時間を削減することができ、営業活動をスムーズに行っていくことができます。
リードジェネレーションでは様々な施策がありますが、例えば以下のような活動もリードジェネレーションになります。
- SEO対策
- ウェブサイトで問い合わせの獲得
- イベントやセミナー、展示会で名刺の交換
テレアポや訪問営業に関してもリードジェネレーションになります。
今までは、社内のマーケターがリードジェネレーションを行い、営業マンがリードに対してアプローチをかけていくことが一般的でしたが、これからはニーズが潜在的な顧客にも積極的に関わっていくことが重要だと考えられるようになりました。
理由としては、インターネット環境の普及により顧客の情報収集力が大幅に向上したため、ニーズの顕在層だけでない早いフェーズの顧客へも接触をしておく必要が出てきたからです。
リードジェネレーションの主な手法6選
リードジェネレーションには、前述したように具体的な手法はいくつもあります。
アプローチをする顧客がどのような状態にあるのかを見極めながら、どのような手法をとっていくかを選定していく必要があります。
そこで、リードジェネレーションでよく使われる手法を紹介していきます。
SEO(検索エンジン最適化)
SEOはご存知の通り、検索エンジン最適化を行ない検索結果で上位表示されるように対策を行なっていく方法になります。
検索エンジンはいくつかありますが、日本ではGoogleとYahooの2つだけで約96%以上のシェアを誇っているためこの2つを把握しておけば十分でしょう。その中でもYahooはGoogleのアルゴリズムを使っていたりもするため、Google上の対策を主として行なっておけば大丈夫です。
対策としては、ユーザーにとって価値のあるウェブサイトを、ユーザビリティを考慮して制作していくだけです。
ただ、その具体的なアルゴリズムやルール等は公開されておりませんので、分析・改善をくりかえし行なっていく必要があります。
SEOについてはこちらをご覧ください。
コンテンツマーケティング
自社で運用しているオウンドメディアやウェブサイトを閲覧している顧客に向け、価値あるコンテンツを発信していくことで、顧客を見込み顧客へと育成(リードナーチャリング)をしたり、頼られる関係性を構築したりするためのマーケティング施作になります。
コンテンツは、この記事のようなコラムや、ホワイトペーパーの配布等様々な形がありますが、顧客にとって役に立つ・問題解決につながると思われることにより、自社の商材の申し込みや購入等、問い合わせへと行動を促していくことになります。
コストはコンテンツの作成費用(自社内で作成する場合、人件費)が発生するくらいで、そのほかにノーコストで施作を行える反面、成果として見込めるまでには長期的な視点が必要になります。さらに、その長期間はコンテンツを作成し続けなければならないため、継続をさせるために、リソースを割ける企業でなければなりません。
コンテンツマーケティングについてはこちらをご覧ください。
WEB広告・デジタル広告
WEB広告・デジタル広告は、年々その市場は大きくなっております。
株式会社電通は、「2020年日本の広告費」調査を行い、以下のような結果になりました。
日本の広告費は大別して3つに分類されております。
「マスコミ四媒体広告費:新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディアの広告費」「インターネット広告費:インターネット上での広告費」「プロモーションメディア広告費:DM・フリーペーパー・イベント・展示会等の広告費」ですが、インターネットは総広告費の中で36.2%と3分の1以上の数値を叩き出しています。あのマスコミ四媒体広告費が36.6%になっていますので、ほとんど同じ水準まで成長しているということになります。さらにこれからも成長していくと予測されています。
その背景は、モバイルデバイスの保有率上昇とともにインターネットの利用率も増えてきており、コロナ禍も相まってオフラインの店舗ではなくオンラインで完結できる仕組みが出来てきているためです。
インターネット広告は、様々な種類があります。
リスティング広告やSNS広告、モバイルアプリ広告が主な種類ですが、それぞれに良し悪しがあり獲得や狙っていけるコンバージョンも変わってきますので、理解をして活用をしていく必要があります。
いくつか下にインターネット広告についてのリンクを貼っておきますので、ご覧ください。
SNS
従来SNSであるTwitterやFacebook、Instagramなどを活用する目的は、企業やブランド・商品の認知度の向上や好感度アップさせることでした。
そのため、公式アカウントを作成して自社についてやブランド・商品に関連した情報・コンテンツの発信をしていくことはBtoCビジネスだけではなく、BtoBビジネスもSNSを活用することは主流となってきました。
ただ、今では企業の担当者が情報をSNSで収集することも増えてきておりますので、リードジェネレーションを行う施作としても簡単かつ費用がかからないため、おすすめの方法です。
ただ、情報発信を行なっていくという点で考えるとコンテンツマーケティングと同じように、価値のある時代に沿った投稿をしていく必要がありますので、継続的に行なっていかなければ、フォロワーも増えずに無駄になってしまう可能性があります。
電話
現在では、テレワークの推進により事務所に担当者がいないことや、情報をインターネット上で得ることができるため営業として接触されることを嫌がったりと断られることも多いかと思いますが、アポイントくださいというアプローチでなく、アンケートをとっている等工夫してテレアポを行うことでリードジェネレーション自体は可能です。
テレアポについてはこちらをご覧ください。
イベントの開催
ここでいうイベントは主に3つのイベントです。外部で行う展示会・セミナー・カンファレンスです。
これらのイベントを開催することにより、自社の商品やサービスについて、ブランドの認知度を多くの顧客に広めることができます。
以前は、展示会やセミナー等は会場の設営等でコストがかなりかかるというデメリットもありましたが、今はウェビナー等インターネットで、低コストで行えますので、集客のみしっかり行えるのであれば、とてもおすすめの方法です。
最近では、ウェビナーもあらかじめ撮影していた動画を流すだけの企業も増えており、かなり人材が少ない企業でも取り組めます。
リードナーチャリングとの違い
似ている言葉でリードナーチャリングという言葉がありますが、意味はもちろん違います。
リードナーチャリングとは、リードジェネレーションで獲得したリードとコミュニケーションや情報提供を取り、関心や興味、購買意欲等の育成を行なっていくことです。
そのため、リードジェネレーション(リードの獲得)のあと、リードナーチャリング(リードの育成)を行なっていくという流れになります。
リードナーチャリングをしていくためには
リードジェネレーションによって獲得したリードは、購入意欲や興味はそこまで高いというわけではなく、すぐに購入を検討する顧客の数は10%ほどしかいないと言われております。
残りの約65%は関心や興味はあるがすぐに導入しようとは検討していないリードで、最後の25%は競合他社や学生等の顧客になりますので、ターゲットではありません。
購入意欲が高いリードに関しては、早期で導入をしてもらえるように設計をすることが重要です。
今すぐの顧客ではない65%のリードは、購入意欲を高めていき、検討段階に入るまで、定期的なコミュニケーションや情報提供等で関係を継続・構築をしていくことが重要になります。
リードナーチャリングでは、メルマガやコンテンツマーケティング、SNS運用、セミナー等が手法としてあり、具体的な例としてはホワイトペーパーのダウンロードでメールアドレスを獲得し、そのメールアドレス宛にメルマガやコンテンツの通知を流し、リードナーチャリングを行なっていくことで、興味・関心が向上していき、最終的な導入への検討を促していくという流れになります。
リードジェネレーションの投資対効果(ROI)
リードジェネレーションでは、どのような指標を元にROI(投資対効果)を計算していくのでしょうか。
リードジェネレーションのROIでは主に以下の指標を計測していきます。
- リードのチャネル別流入量
- チャネル別マイクロコンバージョン到達数
- チャネル別受注到達数
それぞれ解説をしていきます。
リードのチャネル別流入量
チャネルとは、どのような経路からリードを獲得できたかになります。
例えば、テレアポでは◯件、リスティング広告では◯件、Facebook広告では○件…
どのチャネルからリードをどのくらい獲得できたかをきちんと計測していきましょう。
テレアポやセミナーでの獲得数は簡単に計測できますし、リスティング広告やFacebook広告、ウェブサイト等は問い合わせフォームを変える等して計測が可能です。
チャネル別マイクロコンバージョン到達数/率
マイクロコンバージョンとは、中間コンバージョンとも呼ばれ、リード獲得時から購入や申し込みに至るまでの間で多くのリードが取るであろう行動を中間のチェックポイントと定義をし、その到達数/率を全体とチャネル別で計測していきます。
チャネル別受注到達数/率
マイクロコンバージョンと同じように受注に到達できた数と率を計測していきましょう。
計測していくことで、どのチャネルからの流入量が多く、マイクロコンバージョンや受注に到達できる確率や数が多いのかを判別することができます。
例えば、リスティング広告とFacebook広告で計測行い、Facebook広告の方が受注数/率が高い場合、リスティング広告の予算を下げ、Facebook広告に回す等行なっていくことができます。
リードジェネレーションを効率的に行うためのポイント
それでは、実際にリードジェネレーションを効率的に行なっていき、成功をさせるためのポイントを解説していきます。
無闇に行なって行ったとしても、無駄打ちになってしまう可能性の方が高いため、きちんと理解した上で活動をしていきましょう。
KPI・KGIの設定
やはりKPI・KGIはリードジェネレーションでも重要です。
これらは、リードジェネレーションを導入する前には必ず決めておきましょう。
全体のリード獲得数やマイクロコンバージョン到達率を指標にしてもいいですが、チャネル別でKPIを設定して、チーム全体で共有しておくと担当のやるべき仕事が明確化されるのでおすすめです。
ここでは、WEBサイトでリードジェネレーションを行っていく際のすべきKPIについて開設を行います。
リードジェネレーションサイトで設定すべきKPI
CV(コンバージョン)
CV(コンバージョン)は、顧客のアクション完了を指しており、一般的には問い合わせや資料請求、申込み、会員登録などがCVにあたります。
KPIでは、CV数かCVR(コンバージョン率)を設定しましょう。
CV数は、その名の通り、リードジェネレーションサイトからCVが発生した数のことです。
CVR(コンバージョン率)は、WEBサイトに流入したユーザーの中からCVが発生した割合のことです。
UU(ユニークユーザー)数
UU(ユニークユーザー)とは、WEBサイトへアクセスをしたユーザーのことです。
リードジェネレーションをWEBサイトで行っていくのであれば、このUUの数はとても重要となります。具体的には、コンテンツSEOやSNSマーケティング、リスティング広告などを活用してUU数を向上させていきます。
フォーム遷移率・完了率
UU数の内フォームへ遷移した割合や、フォームの入力・送信の完了した割合のことです。
フォーム遷移率では、UUの内どれだけ行動へ誘導できたかという指標になります。この繊維率が低い場合は、「ターゲットユーザーと集客できたユーザーに乖離がある」か「サイトの構成に問題がある」のどちらかが主な原因となるでしょう。
フォーム完了率では、CV達成にとってとても大きな影響を与えます。フォーム完了率が低い場合は、「フォームのユーザービリティ」に問題があるかもしれません。入力項目が多すぎたり、デザインが分かりにくかったりすると完了率が低くなりますので、意識してみましょう。
ターゲティング・ペルソナ
反感を買ってしまう一つの原因として、全く興味のない企業へアプローチしてしまっている場合もあります。
どのマーケティングやセールスでもそうですが、ターゲティングやペルソナ設定は重要になります。
どれだけリードの獲得数が多いとしても、リード獲得がゴールではなく「購入をしていただく」ことがゴールになりますので、質が重要となります。そのため、ターゲティングやペルソナの設定をしっかり行い、質の高いリード獲得を効率的に行なっていきましょう。
カスタマージャーニーを考慮する
カスタマージャーニーは、日本語に直訳すると「顧客の旅」となっており、顧客やペルソナの購買までの一連の動きの流れを可視化したものとなっております。可視化することにより、顧客接点を確認することができ、それぞれの最適な情報を伝えていくことが可能となります。
BtoBビジネスの場合は特に、稟議や決裁などが入ることも多く、様々な関係者が存在します。
その為、購買決定までに時間がかかってしまうのです。自社のビジネスに置き換えて、戦略を立てていきましょう。
節度のある接触
リードジェネレーションは、自社と全く取引をしていない顧客の中から、見込み顧客を獲得していくための活動です。そのため、リードジェネレーションの手法によっては、相手に悪い印象を抱かれてしまい、反感を買う場合もありますので注意が必要です。
極端な例ですが、しつこいテレアポ等や何度もSNSでDMを送信したりすると、最悪の場合「炎上」したりすることもありますので注意が必要です。
最後に
今回は、リードジェネレーションについて解説をしていきました。
言葉は聞いたことあるけど、詳細は知らなかった方や、やり方を模索している方も多いかと思いますので、ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。