営業の属人化とは?営業組織が成長できない理由とその解消法を解説

営業の属人化とは?営業組織が成長できない理由とその解消法を解説

営業組織でもっとも多い問題の一つといっても過言ではない「営業の属人化」。
防ごうとしても営業マンによって起こる問題のため、解消されずに根強く残ってしまい管理者やマネージャーはどうすればよいかわからないと悩んでいる方も多いと思われます。

ただ、その他の課題と同じように営業の属人化もしっかりと原因を把握して、適切に対処することにより解消することは可能です。
今回は、その属人化になる原因やその影響、防ぐ方法等について具体的に解説を行なっていきますので、ご参考にしていただければ幸いです。

営業の属人化とは

営業の属人化は、営業活動における成績や売上が営業マン個人に依存してしまうことを指しております。
例えば、一人のトップ営業マンが全体の売上の3割を占めているのであれば、その営業マンが抜けたら売上が下がってしまう、その営業マンがいなければ困るといった状況になるでしょう。これは極端な例ですが、ありえない話でもありません。
実際に当てはまっている企業もいるでしょう。

このような状況では、そのトップ営業マンに頼った営業活動になってしまい、結果的に営業の属人化している状態といえます。

反対に営業が属人化していないということは、営業マンがそれぞれ同水準で営業を行えているということです。すなわち、「組織的な営業」ができているということです。
組織的な営業であれば、特定の営業マンがいなくなった場合でも大きく売上が下がったり、立ちゆかなくなったりすることはありません。

こう見ると、「特定の営業マンが辞めたとしても別に問題ない」と捉えられ冷たい印象を受けますが、特定の営業マンが辞めて売上が急激に下がるリスクを考えると、属人化しない営業を目指したほうがリスクも少なく理想的であるといえます。

営業の属人化になってしまう原因とは

営業の属人化になる原因は、その営業組織によって異なってきます。
ただ、その中でも以下で紹介するような原因の場合が多いです。実際に、属人化していると感じている企業は、以下の原因の中でどれに当てはまるか確認してみましょう。

営業マンの意識

営業の属人化になってしまう原因の一つが、営業マンの意識によるものです。
どういうことかというと、属人化しない営業とはどの営業マンでも変わりがきく状態とも言えます。そのため、営業マンは自分でなければできない仕事を確立するのではなく、誰でも対応できるように意識して仕事を行なっていく必要があります。

ただ、営業マンだけに当てはまることではありませんが、人は自分でなければできない仕事を確立しがちです。それは、自分の仕事における存在価値を証明しようと無意識・意識的に仕事を行なってしまうからです。
さらに営業という職種では、給料体系がインセンティブ制度(歩合制)を導入している企業も多いため、自分のみでしかできないような仕事をする人も多いでしょう。

そうなると、結果的に営業が属人化してしまいます。

情報の共有・管理ができていない

営業活動は、日々商談やアポイント獲得で忙しい職種になります。
訪問営業を行なっているのであれば、営業マンが1日のほとんどを外出している企業も少なくないでしょう。
営業活動以外でも、営業資料の作成やターゲットリストの精査等で忙しい営業マンも多いです。

そのため、営業における情報の共有がうまくできていなかったり、情報管理ができていなかったりするでしょう。そうなると、営業の成功したノウハウやナレッジについても共有することができず、組織的な営業力アップが実現しません。

さらに、営業のプロセスを部門別にせずに、アポイント獲得からクロージング、成約、アフターフォローまでを一人の営業マンで行なっている企業も多いと思います。
もちろん、一人で行えて効果的であれば、そのスタイル自体を悪いとは言いませんが、一人で営業活動を行うため、顧客の情報やどのような商談内容だったか、等の細かい情報を共有しない人も出てきます。

自分一人で営業するのだから共有しなくてもいいと考えてしまい、情報が閉鎖的になってしまい、結果営業の属人化が起こるきっかけになります。

組織的な情報管理ができていない

上記の情報の共有・管理ができていないと少し被りますが、ここで伝える情報管理は組織における管理体制のことです。
例えば、「“どの営業マン”が“どの顧客”に“いつ”、“どのようなアプローチ”をしてアポイントを獲得した」等の詳細な情報を組織的に管理しているのであれば、該当の営業マンが急に休んだ場合でも他の営業マンが変わりに営業活動や対応を行えます。

ただ、そのような情報を管理していなければ、対応ができないだけでなく、顧客対応するかどうかも分からず、機会損失となってしまう可能性も大きいです。
そのため、営業組織では情報の共有・管理体制をしっかりと整えておき、把握しておくことが求められます。

営業の属人化によって生じる影響

営業の属人化になる主な原因については、お伝えしてきましたが、実際に営業の属人化になった場合生じる影響はどのようなものでしょうか?

営業の属人化が起きると、組織的な営業ができず売上が不安定になり、営業のみならず企業の成長がしづらいという影響が生じてしまいます。

多くの企業が営業組織を組んで営業活動を行う理由は、組織に属する営業マンが共に成長や助け合いをおこなっていくことで、相乗効果が生まれ大きな成果へと繋がるからです。
ただ、属人化している営業組織では、様々な影響によりその営業効率が落ちてしまい、想定以下の結果しか生まれないことが多いです。

こちらでは、どのような影響やリスクが生まれるのかについて解説を行いますので、しっかり理解しましょう。

営業活動の管理が難しい

営業の属人化が起こってしまいますと、営業マンがそれぞれ活動を行なっていくため、管理者やマネージャーから見るとどのような営業活動を行なっているのか確認ができず、管理が難しいという状況になってしまいます。
営業管理は、営業活動においてとても重要な要素で、一人一人の課題や問題に合わせて管理者やマネージャーが最適なフィードバックやノウハウを伝えることで営業マンが成長を遂げていきますが、営業活動が確認できない場合、最適なフィードバックを伝えることができません。

結果的に、フィードバックだけでなくマネジメントも上手くできずに、営業効率が悪くなってしまうという影響が生まれます。

各々が自己流の営業・対応になってしまう

営業の属人化が起きると、営業マンそれぞれの営業や対応が自己流となってしまいます。
自己流でやっても売れればいいと思われますが、営業は個人戦ではなく団体戦の場合が多く、自己流で営業・対応を行なっていると組織としての一貫性や統一性がなくなってしまい、組織的な営業を行えなくなります。

自己流の営業・対応となってしまう理由が、「やりやすい」からです。人は自分がやりやすい方法を好みますが、やりやすい方法が正解とは限りません。
その方法が、成績がトップの営業マンのやりやすい方法であれば問題ありませんが、営業を始めて間もない営業マンの自己流となると話は変わってきます。

さらに、営業だけでなく顧客への対応も自己流となってしまいますので、顧客に対しても良いとは言えないでしょう。

そのような、個人での戦いを行なっていくことで、組織的な営業を行えるはずはありませんので、属人化がさらに深刻化してしまう原因にもつながってきます。

組織としての営業力向上が難しい

営業が属人化してしまいますと、情報が閉鎖的になってしまうと説明しましたが、その結果上手くいった営業のノウハウやナレッジ、駄目だった失敗談等の共有もされないため、組織としての営業力を底上げすることができなくなってしまいます。

組織で営業活動を行なっていくメリットとして、一人一人のノウハウや経験を共有でき、全体的な成長速度を上げていけるという点がありますが、その情報の共有自体できない(できづらい)状態となってしまい、成長をしていくことができないでしょう。

営業担当の変更が難しい

営業が属人化してしまいますと、何かしらの理由で営業担当を変更しなければならない際に影響が出てしまいます。
その担当を変更しなければならない事態というのは、例えば、担当者が辞職や転職を申し出た際や、怪我・病気などの療養時、人事異動など様々あり、その度に苦労して引き継ぎを行わなければなりません。

担当者変更が難しい理由としては、顧客とのコミュニケーションの履歴や詳細な情報が営業担当によって独自に管理されているケースが多いためです。
顧客としては、担当に伝えていた依頼や内容が抜けていたり、もう一度伝えなければならない事態に陥り、企業に対しての信頼や信用を失ってしまうリスクも生じます。

その結果、契約の更新をしなくなったり、途中解約になったりと機会損失にも繋がる可能性が高くなります。

現在では、人材を長期で雇用することが難しい世の中ですので、担当者変更が難しい状況は避けておかなければなりません。

クレーム対応が困難

営業が属人化してしまいますと、引き継ぎだけでなくクレームへの対応も困難になってしまいます。
クレーム対応はもともと難しく、適切に対応しなければなりませんが、営業が属人化しており情報の共有ができていない状況ですと、その難易度はとても上がってしまいます。

クレームに対しては、まずクレームになった原因や背景を探り、その原因に関係している人が解決できるよう対応していく必要がありますが、属人化しておりますとその原因を探ることも遅くなってしまい、間違った対応をしてしまう可能性もでてきます。

営業の属人化を解消する/防ぐ方法

それでは、営業が属人化する原因や影響についてお伝えしてきましたが、次にどのように属人化を解消・防ぐことができるかについて解説していきます。

営業活動のルール設定と普及

まず、営業の属人化を防ぐ方法として行わなければならない対策が、「営業活動のルール設定と普及」です。
そういうことかと言いますと、営業活動のルールというものは、営業プロセスごとにルールを設けて営業の水準の担保を行うということです。そして、設定したルールを営業組織に共有して実行していきましょう。

このルール設定を行うことで、営業活動を“誰”が行なっても、一定の水準を維持することができるだけでなく、プロセスごとのノウハウも溜まりやすく営業力の底上げを行なっていくことができます。さらに、営業マンをマネジメントする際にも設定したルールに従っているため、確認することが容易になります。

それでは、具体的にどう行なっていくかを解説します。

営業活動のルール設定と普及の具体的な方法

① 現時点での営業活動を確認する

まずは、現時点での営業活動を具体的に確認していきましょう。
この際に、営業のプロセスを把握するだけでなく、次のプロセスへの遷移率等の数値での確認も行います。

例えば、テレアポにてアポイントを獲得して、訪問営業で商談を行なっている場合は、以下のように確認をします。

  • テレアポでの営業について
    ターゲット企業・営業トーク・アポイント獲得率・架電数・架電時間・ヒアリング内容・・・
  • アポイントまでの顧客フォローについて
    顧客フォローの有無・フォロー方法・・・
  • 提案資料について
    提案資料の内容・ヒアリングに応じた変更点・事例・・・
  • 商談について
    実際の商談遷移率・商談内容・テストクロージング・クロージング・成約率・NG理由・・・

上記は一つの例ですが、このように細かく一人一人チェックを行なっていきます。
ここで、全ての営業マンから現状の確認を行いましょう。

② 営業活動の改善とルール設定

現状の確認をしましたら、その内容を基に営業活動の改善とルール設定をしていきましょう。

前回のステップで営業マン全員の営業活動をチェックできたかと思いますが、それぞれの良いところをピックアップしていき、更に改善を行いルール化していくことが重要です。そして、営業活動だけでなく、営業ノウハウやナレッジ、テクニック等もルールとして設定した方がより良いでしょう。

具体的にはまず、一番の成績を出しているトップ営業マンの営業プロセスを軸にその他営業マンの良い点を繋げながら、最終的なルールへと改善をしていきます。

そうすることにより、営業組織全体がトップ営業マンと同水準の営業活動を行えることができます。

③ ルールの普及と改善

ルールが決定しましたら、営業マンに共有し実践していきましょう。
その際に普及して終わりではなく、改善を行なっていかなければなりません。

理由としては、営業活動のルールを設定して実践した場合、トップ営業マンと同水準の営業活動を行えます。ただ、あくまで理論上は、です。営業は活動の内容のほかにも、「話し方」、「立ち振る舞い」、「外観」、「テクニック」等の様々な要因の上で結果が変わります。
そのため、全員が必ず同水準の営業活動を行えるわけではないですし、設定したルールが組織にマッチしていない場合もあります。

そのため、実践をしてみて思ったほど効果が出ない場合には改善を行って、より良いものへと変化させていきましょう。
さらに、情報の共有もしっかりと仕組み化しておくことで、営業マン同士でコミュニケーションを取り、全員で改善を行なっていくことも可能です。そうすることで、改善の速度も早くなり、成果へと繋がる組織的な営業を実現することができます。

情報共有の仕組み化

次に、営業の属人化を防ぐ方法として情報共有の仕組みを作りましょう。
ここでいう情報とは、大きく分けて二つに分類されます。

まず一つ目が顧客情報で、もう一つが営業に関する情報(ノウハウやナレッジ等)です。

それぞれについて解説を行います。

顧客情報の共有

こちらは、その名の通りではありますが、詳細な顧客情報を共有し管理していくことになります。
これらを徹底して行うことにより、急な担当者変更やクレーム等の対応にも即座に対応することができ、さらに全体の進捗や状況を把握することにもつながります。

主に、CRMやSFAなどのツールを活用することを推奨はしますが、その他にもExcel等で管理することも可能ではございますので、必ずその仕組みを作り、活用していきましょう。

それらの対応だけでなく、顧客のLTVを向上させることにもつながります。
例えば、商品やサービスの導入から半年の顧客には、別の商品のアナウンスを行ったり、フォローを行ったりすることにより、成約後のコミュニケーションを継続的に取る一つの目安を測ることもできますので、新規顧客への営業活動だけでなく、既存顧客のアップセルやクロスセルといった新たな売上を創造することも可能です。

営業に関する情報の共有

次に営業に関する情報の共有については、営業活動におけるノウハウや上手くいったナレッジ等を共有することで、組織+個人の営業力を底上げすることにつながります。

例としては、月に一回共有する場として勉強会やミーティングを開いたり、成果につながった際にコミュニケーションツールなどにその具体的なナレッジを投稿したりすることが挙げられます。

こちらでもCRMやSFAを活用することで簡単に共有することも可能ですので、一度導入を検討してみましょう。

最後に

今回は、営業の属人化について詳しく解説を行ってきました。
今回の記事を見て、自社が属人化しているかどうかを判断し、改善を行うきっかけにでもなれれば幸いです。

営業という職種はどうしても属人化しやすい職種になります。
ただ、今回解説を行ったように属人化を防止したり、解消したりすることは可能ですので、しっかりと学んでいただき、組織的な営業力をつけて安定した会社経営を行なっていきましょう。

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