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営業組織とは?個人ではなく組織で営業する方法について解説

営業組織は、何をもって強い・弱いが決まるのでしょうか?
営業力の強さや、企業ブランドの強さ、独自性をもった企業など様々なイメージがあると思いますが、どれも何かに特化した強さを持っていることが多いでしょう。

それらの営業組織として強い企業と普通の企業はどのような違いがあるのか、考えたことはありますでしょうか?

今回の記事では、営業組織として強い企業とはどのような企業なのか・重視されるポイント・その組織のリーダーの役割や具体的活動について解説を行っていきます。

営業組織とは?

営業組織とは?

営業組織は、2つの意味がございます。
1つ目の意味は、単純に営業活動を行う組織ですが、今回お話する営業組織はもう1つの意味となります。
ここで話す営業組織とは、営業活動を個人の裁量に任せるのではなく、チームとして売上拡大や利益の最大化を目指していく営業活動を指しております。

営業活動には、アポイントの獲得や顧客への提案、顧客フォローなど様々なプロセスが存在しております。そのプロセスを1人で実施していくのではなく、役割やプロセスを分けて組織全体で実施していくことにより、売上や利益を最大化することができます。

営業組織が必要な理由

トップ営業マンのチームであれば、個人で営業活動を行っても問題ないでしょう。
ただ、実際にトップ営業マンのチームを構築することは不可能に近いです。出来たとしても、トップ営業マンは引く手あまたですので、ヘッドハンティングや転職によって長期雇用できない可能性が高いです。

個人で営業活動を実施していくことは、トップ営業マンだったとしても属人的な営業活動になってしまい、パフォーマンスが不安定になってしまいます。

そのため、安定した営業活動を実施していくことが、営業組織が必要になります。

営業組織の強さとは?

営業組織の強さとは?

営業組織の強さとは、正直見る視点などによって変わるものですが、今回の記事では「高い営業利益を継続して出せる」強さを指します。

そのため、強い営業組織とは、継続した営業利益を出すことができる組織となります。
ビジネスモデルや商材などによって、売上や営業利益が下がってしまうことも当然あるでしょうが、持っている営業力でカバーして継続した成果を上げることが可能となるでしょう。

成果・業績を高い水準で継続して維持をするためには、営業力も必要ですが、その他にも顧客満足度の向上やLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の向上がとても重要になります。昨今では特に競合他社が増えてきて、商品・サービスをリリースしたのが早かったとしてもその優位性だけでは顧客維持をすることは難しいです。

そのような状況下で営業マンは、顧客へ商材の価値提供をしたり、最適なタイミングで顧客に沿った提案をしたりすることが求められるようになりました。

営業組織の強さは、単純な営業力ではなく、顧客のLTV(顧客生涯価値)と顧客満足度(CS)を向上させる力のことを指しているということです。
さらに、各営業マンのモチベーションも大きく影響します。モチベーションが高い組織は、全体で前に進む力が強く成果も出しやすいです。

強い営業組織の特徴

強い営業組織の特徴

次に、強い営業組織の主な特徴について解説を行います。

営業プロセスの標準化

営業プロセスとは、営業活動の全てのプロセスを可視化したものとなっております。
例えば、「リード(見込み顧客)獲得」、「商談」、「成約」などの流れをルールとして設定していきます。強い営業組織では営業プロセスが標準化されており、更に各営業マンに浸透しております。

営業プロセスの設定はとても重要で、営業プロセスが設定されていなければ、リードに対してアプローチをしていく際、WEBから問い合わせがあった際、商談を行う際など、そのタイミングによって営業マンが個人で考え行動していきますので、営業の属人化が進んでいきます。

反対に、営業プロセスが標準化されており、営業マンに浸透している場合、新たな手法をすぐに試せたり、組織全体でプロセスの改善を行ったり、新人営業マンが入った場合でも成長速度を早めたりすることが可能となります。

営業力の強い営業マンの育成が可能

前述でも育成について少し触れましたが、営業プロセスの標準化により、育成速度はとても向上します。それだけではなく、強い営業組織にはナレッジやノウハウの共有がされている場合が多く、それらの活用もできるため育成のスピードを早められます。

属人化している営業組織に多いのが、教える営業マンによって、そのレベルや教育の方針が違う場合があります。そうなると、新人営業マンはどの営業マンの教えを守ればよいのかが分からないですし、組織全体の営業レベルがバラバラになりやすいです。

そのため、教育制度もしっかりと決めており、その上営業プロセスの標準化・ナレッジやノウハウの共有などが上手くできている組織は育成においても速度を早めることができ、早期に戦力を増やすことができるのです。

コミュニケーションや連携がスムーズ

営業組織内でのことだけでなく、マーケティング部署やその他の部署とのコミュニケーション・連携をスムーズにしていくことがとても重要になります。
今まで重視されていた、誰がどれくらい売上を出したか等の結果だけでなく、売上の推移や顧客の満足度などの多様なデータを活用して、商品・サービスの開発をしたり、販路の拡大や施策の最適化をしたりするなど、営業部だけではなく多くの部署が同じ目標・目的を持って進んでいくということが営業組織を強くするのです。

そのため、今までコミュニケーションを取ってこなかった部署ともコミュニケーション・連携をスムーズに行い、営業活動を実施していく必要があります。

営業組織の強さを重要視する理由

営業組織の強さを重要視する理由

多くの企業で営業組織の強さを重要視されておりますが、その理由は単純に売上や利益に結びつくからです。といいますのも、通常商品・サービスの力だけで市場で勝つことは難しいです。

その理由は下記のような理由になります。

  • 競合他社が低価格帯や高品質な競合品を提供する可能性が高い
  • 違う業界・業種であっても、新規参入する可能性がある
  • コロナウイルスなどの天災により、事業に影響を及ぼす可能性がある

商品・サービスの力だけでは、上記のような事態に陥った場合、解決することは困難ですが、営業組織の強さがあれば売上や利益を継続的に上げていくことが可能となります。また、最後の天災のような事態でも営業方針をすぐに変えることもでき、最適なアプローチをすることができます。

営業組織を強くする為リーダーが行うべきこと

営業組織を強くする為リーダーが行うべきこと

それでは、続いて営業組織を強くするために、組織のリーダーが行うべきことについて解説を行っていきます。

組織の課題を確認

組織の課題を確認

まず、営業組織を強くするために、現状抱えている組織の課題について確認を行っていきます。課題が把握できましたら、その課題を効率的に改善することに繋がるでしょう。それと、課題については営業マンの課題だけでなく、管理者・マネージャーや体制・仕組みなどについての課題も確認を行っていきます。

課題を確認する際には、自社の方針に沿ったチェックリストを活用して行うと効率的に確認することができます。例としては、以下のような内容を確認していきましょう。

営業マンの課題

  • 営業マンとしての立ち位置・役割の把握できているか
  • 顧客に優先度をつけて営業できているか
  • 目標に対しての計画や活動計画を立てているか

管理者・マネージャーの課題

  • 管理者・マネージャーとしての立ち位置・役割を把握できているか
  • 適切なフィードバックができているか
  • 進捗や営業マンの動きを把握できているか

体制や仕組みについての課題

  • 自社の方針が明確化しており社員へ共有できているか
  • 営業管理や顧客管理の仕組みがあるか
  • 情報共有や評価制度の体制は整っているか

目標と計画の明確化

目標と計画の明確化

組織の課題を把握して改善を行いましたら、次に目標を立て、その目標を達成するための計画を明確化していきます。

目標は具体的に設定をして、そのためにはどのような行動や成果が必要か計算をして計画立てをします。この目標と計画は、組織全体での目標だけでなく、営業マンやマネージャーなどの個人に対しても明確に設定していきましょう。
目標設定にはいくつか方法がありますが、今回は代表的なKGI・KPIについて解説を行います。

KGI

KGIとは、Key Goal Indicator(キーゴールインジケーター)の頭文字を取った言葉で、日本語ですと「重要目標達成指標」と言われております。
営業組織でKGIを設定するのであれば、最終目標である売上高や顧客数、利益率などが一般的です。目標にするものは、通常数値として測れるもの(定量的な指標)がよいです。
数値であれば、誰が管理をしても主観が入らないため、ずれることはなく、わかりやすいためです。

それと、KGIに設定する項目は一つだけにしましょう。
理由としては、追っていく指標が多くなり、結果として目標達成できなくなる可能性が高いからです。KGIによってこれから紹介するKPIが決まりますが、KGIの数が増えれば営業マンやマネージャーが追うKPIは多くなりますので、最終的なゴールを1つ設定しましょう。

KPI

KPIとは、Key Performance Indicator(キーパフォーマンスインジケーター)の頭文字を取った言葉で、「重要業績評価指標」と言われております。KGIが最終の目標設定に対して、KPIはその最終目標を達成するための業務を数値として管理していくものです。

営業組織でKPIを設定するのであれば、商談数や顧客単価、アポイント獲得率、アプローチ数などになるでしょう。KPIもKGIと同じ様に定量的な指標を設定します。

具体的に言いますと、「KGI:営業利益100万円」で設定します。
そのKGI(営業利益100万円)を達成するために10,000円のAという商材を100人売る必要がある場合、商材Aの顧客数100人増加がKPIになります。
その他にも、100人に販売するための架電数や商談成功率などもKPIとして設定します。

ただKGIと同じように、KPIの数を増やすことで成果に繋がりやすくなるというわけではないです。KPIに関しては、一般的に1〜3つほど設定することが望ましいと言われております。KPIが多く設定されていると、どの指標をいつまでに完了させるのか、など行動指針がぶれてしまいます。

あくまで、目標達成させるための指標となりますので、営業マンが現状を把握しつつ、効率的に業務を行えるように設定しましょう。

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営業マンに正当な評価を与える

営業マンに正当な評価を与える

営業マンの営業活動に対するモチベーションを高く維持することもとても重要です。
そのため、営業マンに対して正当な評価を与えるようにしましょう。

営業マンは、組織に対して慈善活動を行っているわけではなく、多くの営業マンは自分の為に営業活動を行っています。
そのため、営業マンのモチベーションを向上できるように正当な評価を与える必要があります。評価の基準をしっかりと整備して、その上報酬など目に見える形で与えるとより良いです。

絶対評価と相対評価

営業マンは自分の業績分の評価を望んでおりますので、絶対評価をしましょう。反対に、相対評価を行いますと反感を買ったり、不満に繋がったりします。

相対評価という評価は、他者と比べることで評価をすることです。
具体的には、「○○さんより売上が高かった」、「□□さんよりアポイント数が低かった」などと組織内で順位をつけて評価します。

評価している側からすると評価をしやすい方法になりますが、営業マンからすると評価者の主観で決められているようなアンフェアな印象を持ってしまい、モチベーション低下に繋がります。

絶対評価は目標に対する達成率など決められた指標で評価をする方法になります。業績によって、正当に評価される為、不満に繋がることはありませんし、評価している側からしても明確な評価基準のもと評価できるため、評価もしやすいです。

フィードバックの方法

評価の方法については、前述の通り絶対評価をしておけば問題ありませんが、その評価を該当の営業マンにフィードバックする際は注意をする必要があります。
結構多いのは、悪い点のみを伝える上長です。もちろん、悪い点は改善点でもありますので、フィードバックをするのは問題ないですが、悪い点のみを伝えるのは問題です。

営業マンにフィードバックする際は、必ず悪かった点と良かった点を伝えましょう。
順序は「悪かった点→良かった点」です。

フィードバックの周期にもよりますが、殆どの場合良かった点もあるでしょう。営業に関する点であれば、小さくても問題ないので、必ず伝えるようにしましょう。

情報共有の仕組みを作る

情報共有の仕組みを作る

営業マンは個人で動く事が多く、各自のノウハウやナレッジなど共有されていない場合が多いです。
そのため、営業組織を強くするためには、情報共有の仕組みを作ることも重要となります。

情報共有の仕組みは、定期的なミーティングを開催したり、ツールを使って共有したりと自社に合った方法を選択することをおすすめします。

営業が上手く行えたノウハウやアップセルが成功したナレッジなど、営業力強化を行える情報を共有することで、組織全体の営業力を底上げすることに繋がり、強い営業組織を作ることができます。

クレームやトラブルについても共有する

それと、クレームやトラブルへの対処などについても共有すると良いです。
ビジネスを進めていく上で、クレーム・トラブルは高い確率て発生してします。その際に自分自身は受けたことのないクレームだったとしても、類似した内容が共有していた場合、即座に最適な対応をすることができ、大事にならない確率が高くなります。

他部署との情報共有も忘れずに

さらに、ノウハウやナレッジだけでなく、他部署との情報共有の仕組みも作りましょう。
部署などの垣根を超えて企業全体で進めていくことで、営業組織も強くすることができます。
例えば、マーケティング部署で獲得したリード(見込み顧客)を営業にトスアップして、営業マンがファーストコンタクトを取ったとします。その際に、顧客の反応が悪いという場合、マーケティング部署と営業マンとの間で情報がうまく共有できておらず、認識がズレていた可能性が高いのです。

認識が少しずれていただけでも顧客の企業全体のイメージが悪くなってしまいます。そのため、強い営業組織を作るためには、他部署との正確な情報共有・連携を取るようにしましょう。

営業マンの能力向上

営業マンの能力向上

営業組織を強くするためには、各営業マンの能力を向上させることも重要となります。
勉強会を開いたり、セミナーを開催したりすることで能力を向上させていき、全体的な営業力をつけていきましょう。

そして、強い営業組織に多いのは各営業マンの向上心が高いということです。
「もっと顧客を獲得したい」、「チームのリーダーになりたい」、「給料を上げたい」などどのようなことでも良いのですが、向上心が高ければそれだけ営業活動に対するモチベーションも高いということになり、能力も向上しやすいです。

能力は様々な種類があります。
各営業マンによって、伸ばすべき能力は変わりますし、ビジネスモデルや業界・業種によっても変わってくるでしょう。各個人の能力値をしっかりと把握して、適切な能力向上させられるように、管理者やマネージャーは育成を行っていく必要があります。

営業の属人化を防ぐ

営業の属人化を防ぐ

強い営業組織を作るためには、営業の属人化を防がなければなりません。
営業の属人化は、営業活動における成績や売上が営業マン個人に依存してしまうことを指しております。

例えば、一人のトップ営業マンが全体の売上の3割を占めているのであれば、その営業マンが抜けたら売上が下がってしまう、その営業マンがいなければ困るといった状況になるでしょう。これは極端な例ですが、ありえない話でもありません。

このように、営業の属人化になってしまいますと、組織としての営業力というより、特定の営業マンの営業力が重要となってしまい、強い営業組織とは言えません。

そのため、営業活動のルールを設定・普及したり、商法共有を仕組み化したり、することで営業の属人化を防ぎ、組織的な営業力を向上させていきましょう。

営業の効率化のためITツールを導入する

営業の効率化のためITツールを導入する

強い営業組織は、営業活動を効率的に行っている事が多く、その効率化のためにITツールを導入している企業も多いでしょう。
ITツールを導入することにより細かな作業やルーティンとなっている作業などを自動化することができ、無駄な時間を大きく削減することができます。

営業活動を効率化できるツールは、主に以下の3つになります。

  • CRM(Customer Relationship Management)ツール
  • SFA(Sales Force Automation)ツール
  • MA(Marketing Automation)ツール

これらのツールを導入し、営業活動を効率化しましたら、無駄な時間を削減できますので、その時間を顧客へのアプローチやフォローに活用できます。

最後に

今回は、営業組織の強さについて解説を行ってきました。
強い営業組織を作ることにより、売上や利益の向上を可能とし、より安定的な経営を実現することができます。

ただ、強い営業組織を作ることは、見ていただいたら分かる通り、簡単ではありません。企業が率先して組織づくりをしていく必要があります。

今回の記事を参考に営業組織を強化していき、より良いビジネスライフを送っていきましょう。

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