おすすめ記事
営業DXとは?必要な理由からメリットについて徹底解説

みなさま、DXという言葉を聞いたことがありますでしょうか?
Digital Transformation|デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、進化しているITの技術を活用・浸透させていくことで、生活や業務をより良いものへ変革をしていくという概念のことになります。

営業DXによって、様々な良い影響を受けることができます。現代のテクノロジーの進化によって、その影響力は増しており、今までの営業スタイルがアナログと思われるような新たなスタイルが誕生しております。

今回は、そのDXによってどのように変化をしていくのか、どのようなメリットがあるのか、具体的な事例を解説していきます。

営業DXとは?

営業DXとは?

昨今はIT社会と呼ばれるほど技術が進歩していっておりますが、企業や部署によってはまだまだ手作業で行うようなアナログな作業があります。そのようなアナログ作業も含めて全てIT技術によるデジタル化を行なっていき、組織全体を大きく変化させていこうとすることをDXと呼びます。

営業活動におけるDX化とは、これまで行なってきた営業マンのスキルや体力等に頼った属人化した営業スタイルから、ITの技術によりデジタルで行なっていき効率よく効果的な営業スタイルを導入していくことを指します。
そのため、今までは営業マンの力に頼っていた営業スタイルから、低コストで若手の人材でもトップ営業マンのような営業活動が実現できます。

今なお残り続けるアナログな作業の代表例である営業活動。
テレアポでは日々ターゲットリストを見ながら電話をかけたり、訪問営業では足を使って根気強く営業を行なっていく等の、営業マンベースになっている職種と言えるでしょう。それらのメリットとしては、個人の能力を体験しながら伸ばしていくことができる点にありますが、現代社会で営業マン資本の営業活動がどれだけ企業へ貢献できているのか疑問は残ります。

人材不足の問題もあり、自社にとって最適な人材を獲得できるか分からない現状で、個人の能力次第で業績が変動する営業スタイルより、誰でも最高の結果を出すことができ、企業へと貢献をしてくれるDX化へと注目が集まっている状況です。

営業DXは必要?営業活動における課題とDX化の必要性

営業DXは必要?営業活動における課題とDX化の必要性

前述で、営業DXに注目が集まっているとお伝えしました。
その動きに伴って、様々な企業がDX化を支援するツールやサービスが展開されておりますが、ここまで注目されている背景は、何でしょう?
それは、既存の営業活動における課題が要因となっておりますので、詳しく解説をしていきます。

営業リソース不足

大きな要因の一つが営業リソースの不足になります。

現状、様々な業界で人材不足が悪化をしていっており、パーソル総合研究所が発表した調査結果によると、2030年の労働市場の未来推計では労働需要が7030万人に対し、労働供給が6429万人となっており、644万人の人手不足が発生すると予測されております。
すでに、制度改正でシニア層の定年延長であったり、女性への就労支援をしたり、外個人就労支援等を取り組んでおりますが、それでも644万人の半数程しか確保ができないと言われております。

労働市場の未来推計 2030 - パーソル総合研究所
引用:労働市場の未来推計 2030 - パーソル総合研究所

それと、総務省統計局の調べでは労働人口のうち約14%(※)は営業職(販売従事者)となっております。2030年時の労働需要と労働供給の差(人手不足の数)はおおよそ644万、その内の14%となると約90万人です。
そして日本国内の企業数は367万社(2021年経済センサス活動調査)で、その内従業員数10名以上の企業は約25%(2012年経済センサス活動調査)ですので約92万社です。そのため1社に1名は営業マンが不足してしまう可能性があります。

その大きな原因として、出生率の低下等による労働人口そのものが低下しているからです。
そして、今までの営業活動は、営業マンが資本となって行なってきた活動になりますので、そのリソース不足からくる影響が色濃く出てしまいます。

こうした流れもあり、少数の人材でもしっかりとパフォーマンスを発揮できるDX化への取り組みが必要となっております

営業マンの能力

営業活動を行なっている営業マンは、ロボットではなく人ですので、各個人によって能力に差が生まれてしまいます。従来の営業活動では、その能力の差が大きくビジネスに対して影響を及ぼしてしまいます。そのような活動スタイルですと、その時々でパフォーマンスの幅が生まれてしまい、良い状態で維持することができなくなってしまいます。

このような営業マン個人の力に頼り切ったり、能力値をあげるために育成をしなければならなかったりすると、企業にとっての大きなリスクとなってしまいます。

さらに、人材の確保自体の難易度も上がっていることと、うまく確保できて育成をしていったとしても、流動性が高い現代では長く雇用し続けることが難しくなってきているため、能力の高い人材の確保をしつづけなければならないリスクもあります。

そのため、人材の確保ではなく、必要としている穴を埋めるために、営業DXを推進していく必要があるのです。

リードタイムの長期化

リードタイムとは、案件が発生してからその獲得、納品までのプロセス全体にかかる時間のことを指しており、営業活動においては顧客を作ってから受注獲得までの時間をリードタイムと言います。

今までの営業活動を見ると、リードタイムが長期化しているケースがとても多く、短縮できる余地が非常に多くあります。具体的には、顧客情報やアプローチ内容を上司に共有やより確度の高いリードの選定、顧客先へ訪問時の移動時間…等様々なプロセスを改善することでリードタイムの短縮が可能です。

リードタイムが長いと、購買までのプロセスが長期化することにより、購買意欲の低下が起きてしまうことにもつながりますし、顧客単位での人材やコストの単価が上がってしまうため、少人数で営業活動を行なっていく上で大きなリスクとなってしまいます。

そのため、営業DXを行い、デジタル化によるリードタイム短縮を行なっていくことで、リスクの軽減と営業活動の効率化をしていく必要があります。

営業DXによるメリット6選

それでは、営業活動におけるDX化が必要となる理由については解説をいたしました。
見ていただいたら分かる通り、課題の解決ができることによるメリットはとても多いのですが、DX化にはその他にも様々なメリットがあります。

デジタルデータの活用

デジタルデータの活用|営業DXによるメリット6選

DXは、冒頭でもお伝えした通り、IT技術によりデジタル化を行なって業務の効率化を行なっていくことですので、デジタル化を進めていくことでデジタルデータの活用が根本となる大きなメリットとなります。

具体的には、リードの詳細情報だけでなく、自社運営のWEBサイト訪問の履歴や、WEBサイトから問い合わせをした履歴等様々なデータを管理することができます。
そしてそのデータを活用し詳細で精度の高い顧客リストの作成や、現状行なっている営業活動の状況のスコアリングによる最適なアプローチ戦略の策定を行うことができ、データの活用により大きく改善をすることができます。

インサイドセールスへの移行

インサイドセールスへの移行|営業DXによるメリット6選

営業DXを行うことによって、インサイドセールスに移行することができます。
インサイドセールスは、非対面で営業活動を行なっていくことを指しております。インサイドセールスでの営業手法は、ホームページやWEBサイトでの集客だけでなく、電話やメール、WEB会議システム等様々なアプローチをすることができ、営業活動の手数が増えることにより、従来の営業活動では到底行えなかった顧客層にアタックできるというメリットがあります。

そして、営業する企業だけでなく顧客側も変化しております。
インターネットの普及によって個人で収集できる情報の格差がなくなってきており、これまで強引に押し売りして受注を獲得していた企業も営業方法を考えなければならなくなりました。

そのため、インサイドセールスでは従来の訪問営業(飛び込み営業)やテレアポによるPUSH型の営業スタイルではなく、見込み顧客に対して自社の商品やサービスの露出度を増やし、問い合わせや受注を促していくPULL型の営業スタイルが主流となります。(もちろん、PUSH型であるメールや電話での営業も行います。)

インサイドセールスの導入により、その他様々なメリットがありますので、詳しくはこちらの記事をご確認ください。

BCP対策の実施

BCP対策の実施|営業DXによるメリット6選

営業DXによる、大きなメリットの一つとしてBCP対策を行うことができるということです。
BCP対策とは、天災等の災害が起こった際でもビジネスを継続的に行えるように対策を取ることになります。

例えば、直近ですと2020年に発生したコロナウイルスによるパンデミックです。
コロナウイルスの影響によって、様々な業界でビジネスが立ち行かなくなったり、テレワークが増え今まで通用していた営業活動ができなくなったりとその影響はとても大きなものでした。
マーケティングやリサーチ支援を行っているネオマーケティングが実施した調査結果によれば、下記写真のような影響が出たという結果がわかりました。
やはり、取引数や取引額の減少はもちろんのこと、商談数の減少や訪問が出来なくなったというマイナスの影響が出ております。

BtoB企業のマーケティング施策に関与する1000人に聞いた「コロナ前後のBtoB企業のマーケティング活動に関する調査」
引用:BtoB企業のマーケティング施策に関与する1000人に聞いた「コロナ前後のBtoB企業のマーケティング活動に関する調査」

このようなパンデミックだけでなく、地震や火災等の不足の事態に陥った場合でも、継続してビジネスを行っていけるようにBCP対策をしていく必要があります。
DX化を進めることによりそのBCP対策も行えるようになります。

具体的には、前述でお伝えしたインサイドセールスの導入により、インターネットベースで営業活動が行えるよう整備しておけば、大打撃を防ぎスムーズにビジネスを行えます。

コロナウイルスの影響はあと数年続くと予想されているため、そのような不安定な状況でも効率的に営業活動を行なっていくためにも、DX化を行う必要があります。

営業活動の効率UP、成果の見える化

営業活動の効率UP、成果の見える化|営業DXによるメリット6選

営業DXにより、営業活動を大幅に効率化することができ、営業活動の成果を見える化することも可能です。
具体的には、アポイント獲得率や成約率、売上・契約件数などの営業成績や、今後の売上予測、今後のマイルストーン、全体進捗管理等を把握することができ、営業マン個人へのフィードバックや営業組織での改善を行いやすくなります。
さらに、オンライン上で営業活動を行うため、場所・時間などの制約もなくなり、効率的に営業活動を行うことができますので、成果に繋がりやすくなります。

資産となるコンテンツの蓄積

資産となるコンテンツの蓄積|営業DXによるメリット6選

営業DXによって、オンライン上で営業活動を完結させることが可能となります。
オンライン上で営業活動をおこなっていくのであれば、WEBマーケティングの実施やメールマーケティング、動画等のコンテンツを制作・活用することが重要となっており、そのようなコンテンツは制作すればするほど会社に蓄積されていきます。

短期的に行うのであれば、電話やメール、問い合わせフォーム営業等が有効的ですが、中長期でみるとコンテンツが多いことは会社にとって大きな戦力となります。代表的な例がオウンドメディアとなっており、顧客からの問い合わせだけでも営業ができるようにすることも可能となっています。

LTV(顧客生涯価値)の向上

LTV(顧客生涯価値)の向上|営業DXによるメリット6選

LTVとはLife Time Valueの略で、顧客生涯価値という意味を持っております。言葉通り、顧客から生涯に渡り得られる価値(利益)という意味です。
営業やマーケティングにおいて、このLTVはとても重要な要素となっております。いかに顧客にメリットを与え、自社の利益を最大化させるかを工夫してビジネスを行なっております。

営業は、以前まで「商品やサービスである“もの”を売ること」でしたが、今は「商品やサービスを活用することによる課題や問題の“解決”を売ること」にシフトしてきております。そのため、売った後のサポートやフォローにも力を入れております。

営業DX化をすることにより、顧客からの問い合わせがあった際でも購買商品の情報やコミュニケーション内容を共有しておりますので迅速に対応でき、営業担当が辞めた場合でもすぐに引き継ぎをすることができたりと、顧客満足度をあげる仕組みが実現できます。

最後に

今回は営業DXについて詳細をお伝えしてきました。
実際に、現状DX化を行なっていない企業もまだまだ多いかと思いますので、こちらの記事を参考にDX化に対して取り組んだり、学んだりしていただければと思います。

「今はまだいいかな…」と思われた方もいるかと思いますが、冒頭でもお伝えした通り、今後さらに人材不足による問題は深刻化していくことが予測されておりますし、ご自身でも予想できますよね。今後ビジネスを行なっていくのであれば、DX化は必要不可欠になる未来もそう遠くないかと思いますので、今のうちに検討してみてはいかがでしょうか?

おすすめの記事