おすすめ記事
クロージングとは?コツやトーク内容、例文など徹底解説

営業活動をしていると様々な問題やハードルがあることに気がつきます。
初めはアポイント獲得のハードルですが、アポイント獲得ができたら、商談に移行します。商談中も様々な攻防が繰り広げられますが、商談には最後必ず「クロージング」が発生します。

このクロージングが成功するか失敗するのかによって結果が変わってくるので、営業でとても重要な要素である事がわかります。

「成約率を上げる為にクロージングを勉強したい」や「そもそも、クロージングとは?」と、クロージングを詳しく知りたい方は多いかと思います。
今回の記事では、クロージングについての基礎知識や重要性、テクニック等について解説します。

クロージングとは

クロージングとは

クロージングとは、英単語の「close」が語源となっており、営業の締めくくりを意味しております。
営業の締めくくりはどういう事かというと、営業にはそれぞれ流れがあり、契約をするための最終段階という意味づけになります。

  1. 事前準備
  2. アイスブレイク
  3. ヒアリング
  4. 課題合意
  5. オファー
  6. クロージング
  7. 契約

クロージングは、契約を結ぶための段階である為、売り上げを上げる為にはとても重要なフェーズとなっております。

その為、入り方や言い回し、テクニック等があり、どう活用していいか困る方も多いかと思います。ただ、実際にクロージングの技術が向上すると、比例して成約率も向上します。

ぜひ、クロージング技術を磨いていきましょう。

クロージングの基本

お客様の元に行き、いきなり「この商品・サービスを購入しますか?」とクロージングをかける人はいません。

前述したように、営業には流れがあり、きちんとした段階を踏み、クロージングを行います。
その為には、商談時のアイスブレイクやヒアリング、課題合意等で顧客と信頼関係を構築していく必要があり、その上で課題を解決する策として商品やサービスの提案を行います。ここまでは営業の基本となります。

提案を行い、納得した際に、クロージングを行い契約を結びます。

また、良く本屋さんで「即決クロージング術」のような本を見かけますが、実際のところBtoCなのかBtoB、価格帯が低単価か数百万円、数千万円のような高単価などによって、難易度はもちろん、契約を結ぶか決まるまでの期間は変わってきます。

例えば、BtoCの営業は、低価格な商材や、高価格でも車、バイク等の嗜好品であれば、比較的に即決する方もいらっしゃるかと思います。ただ、一軒家やマンションなどの商材は、高価格な上、もっと見て判断したいと思う為その場で決断できない方が多いでしょう。

BtoBの場合は、担当者にまず営業することがあるかと思います。その場合、提案を前向きに聞いてもらったとしても、稟議書を上司に上げて承認を得なければ契約は難しいです。その為、即決をいただくのが一番良いですが、提案資料をしっかり作り込み用意し、良い決断をしてもらえるよう待つしかありません。

このように、実際に営業先の相手によって、判断の基準や期間が違うことを頭に入れ営業を行なっていきましょう。

営業相手の決裁権と判断基準

BtoC

決済者:本人(もしくは家族)
判断基準:必要性、嗜好、感情、予算、家族の同意

BtoB

決済者:担当者、上司、関連部門管理者、経営者
判断基準:メリット・デメリット、予算、事例

BtoC/BtoB(中小企業オーナー経営者)

決済者:本人
判断基準:生産性が向上するか、事業価値を創造するか

BtoC/BtoB(中規模以上の企業経営者)

決済者:本人、役員
判断基準:生産性が向上するか、事業価値を創造するか、現場の賛同

クロージングの重要性

クロージングの重要性

クロージングは、商機を逃さないためにとても重要なフェーズです。

クロージングを行うこと(断られること)が怖く、クロージングを行わないまま曖昧な状態にしておくと、営業マンにとってはお客様へ良いと思い行なった提案が報われず、お客様にとってもベストな購入機会を失うことだってあります。さらにクロージングしなければ、お客様が商談中にあまり反応がよくなく、乗り気でなかった場合でも、その本当の原因や理由を知ることができません。

なので、必ずクロージングを行いましょう。

もちろん、クロージングをする商談の契約締結が目的ですが、たとえ断られたとしても、以下のような理由が聞ける為、次回の提案に活かすことができます。

・商品やサービスの価値が伝わっていない
・関心はあるが時期が早い
・相見積もりにて他社の企画・価格が優れていた
・企業理解が足りない

テストクロージング

テストクロージング

クロージングを成功に導く為に、様々な手段を活用していきます。
その一つ、効果的な手法が「テストクロージング」です。

テストクロージングとは

テストクロージングとは、通常のクロージングとは違い、商談の最中に購入の意思はどのくらいあるかを確認することです。
購入の意思の確認なので、その名の通り、クロージングのテストのようなものです。

ただ、今ではその定義は少しずつ変わってきており、商談の最中に、商談を進めても良いか確認する行為にかわりつつあります。
例えば、営業マンのよくある失敗例として、顧客と話が盛り上がり、信頼関係も構築できた為、「いける!」と思い、クロージングをしたら、断られたというケースがあります。

その際の断り文句が「話を聞きにきただけ」の場合が多く、お客様の真意に気づかずに商談を進めた結果だと言えます。
このミスを防ぐためにテストクロージングを活用し、次の段階に話を進めても良いかを確認するといいでしょう。

テストクロージングのタイミング

ではテストクロージングはどのようなタイミングで行うのがベストなのでしょうか。
実際、テストクロージングは1回ではなく、何回か行うことができます。ただ、良いタイミングがありますのでお伝えします。

商品説明前

商談の序盤にあたる商品の説明をする前にテストクロージングを行いましょう。この目的としては、お客様との「行き違い」を防ぐことです。

「これから、商品・サービスについての説明をさせて頂きますが、全ての条件が揃い、メリットがあれば、スタートしたい(購入したい)って思われますか?」

このようにテストクロージングを行い、言質としてYesを頂きましょう。
この時点でNoであれば、商品を説明してクロージングしても断られます。その場合は、しっかりなぜNoなのか不安や課題を解決していきましょう。

金額提示前

この金額の提示前は必ず行いましょう。
その理由は、商材によっても変わってきますが、金額がネックになる場合が多いからです。

「ここまでで、購入にあたって、ご不明点やご不安な点はありますか?」

とテストクロージングを行います。
その際にほとんど、「費用」と答えてくる為、
「その他で、ご質問やご不明点ありませんか?」と掘り下げましょう。

こうすることにより、金額提示前に全ての問題や課題を解決し、良い状態で金額を提示することができます。

クロージングを効果的に行う方法

クロージングを効果的に行う方法

クロージングは、もちろん感情に訴えかける等や根気強くアタックするといった根性論もなくはないですが、論理的に行なっていく方が良いでしょう。

その為、様々なテクニックがあり、基本的に3つの要素を改善や工夫することで、成約率を高めることができます。

クロージングのタイミング

タイミングに関しては、お客様による部分が大きいですが、それでも営業トークの中でどのタイミングでクロージングを行うのかが肝になってきます。

冒頭でお伝えしたような、顧客と会って早々にクロージングを行う人はいないと思いますが、顧客はどの程度、自社の商品やサービスに対して前のめりになっているのか等、自身の経験と感覚で見極める必要があります。

話し方

一言に話し方といっても様々あります。例えば、話す姿勢や、相手の話への相槌、声の強弱、高低差、シンプルにわかりやすい言葉、自信を持った話し方、言葉と言葉の間等です。
実際は、対面しているお客様に合わせて、変えていく必要があります。

クロージングの際には、上記のような様々な要素に気を遣いながら営業トークをしていく必要があります。ただ、その中でも重要な要素を挙げるとすれば、「間」と「声の強弱」になります。

「間」は特に重要で、クロージング中に相手に質問を投げかけた際には、先にこちらからは話さないようにしましょう。間が怖くて話してしまう人もいるかと思いますが、我慢が必要です。相手の考えを邪魔してしまいますし、焦っているようにも見られますので、とにかく間を意識してクロージングを行ってみてください。

そして、「声の強弱」に関しては、金額や重要なことを伝える際に意識しましょう。
あえて、声を少し小さくすることで、話に抑揚がつき相手がしっかりと聞いてくれるようになります。

トーク内容

トーク内容は、その名の通り営業トークの内容になります。
複数の選択や、お金について、実績から想定される効果、価値、未来の話等があります。

その相手がどの話に響くかはわかりません。その為、様々な内容のトークを作りこんでおき、引き出しとして持っておくことが、重要になってきます。そして、相手の表情や聞き方をしっかりと見て、反応があった話を中心にトークを展開していくと良いでしょう。


全てにおいて、重要な事は「臨機応変」な対応ということになります。

クロージングというより、営業には正解はありません。成約をしてもらうことが出来た営業トークをそのまま別の顧客に行ったところで、成約につながるとは限りません。

その為、様々な武器を有し、取捨選択をしながら営業を行なっていく必要があります。相手に取って適切かつ自分に合うカタチを見つけていきましょう。

具体的なクロージングのテクニック3選

具体的なクロージングのテクニック3選

クロージングを行うタイミングの見直し

クロージングは、どのタイミングで行ってもいいです。
商品を説明した後すぐでも成約してくれそうであれば行なっても大丈夫です。ただ、そのタイミングが適切かどうかは話が変わってきます。

例えば、一通り話終わったとしても、反応がそこまで良くなかった場合、クロージングのタイミングはそこではありません。

人々の思考は、「理解」→「解釈」と進んでいくため、理解をしたとしても自分自身に取ってメリットがあるのかピンときていない可能性があります。
逆に解釈して、自分にもメリットがあるなと感じられたタイミング、「なるほど」と思ったタイミングが判断基準にしてもいいでしょう。

今までわからなかったことをわかるようになった時に人は「アハ体験」をすることになります。
Facebookでは、新規アカウント登録をしてから10日以内に7人と友達になるとリテンション率(継続率)が高いとされています。

Facebookは友達を作ることができるプラットフォームだと理解していても、自分自身では友達ができるかわかりません。そこに7人以上友達ができたという体験(アハ体験)をすることで、リテンション率につながっていると言えます。

そのため、実際に商品を見せ、体験をしてもらうことでアハ体験をさせたり、商品のお試しができないのであれば、事例などを利用し言葉で体験させてあげましょう。
そうすることで、クロージングの最適なタイミングを図る物差しになるでしょう。

決断を妨げる理由をなくす

人は、損をしたくない、少しでも得をしたいと考えています。その為、損をしないように迷いがでてきます。
反対に、その迷いの原因を断つことで、決断しやくなります。
主な3つの不安事項と解決方法を例に解説します。

さらに安いものはないか

この理由が、一番多い気がします。
家電量販店でも他店より高い場合はその価格より安くするというスタイルを取っていますが、価格という要素は購買活動に大きな影響を与えます。そのため業界最安値を訴えるのも良いでしょう。その際は、信憑性を高めるために他社との比較表を見せると信憑性が増します。

ただ、価格が他社より高いが、性能は一番良いという商品・サービスであれば、あえて「安いものをお求めであれば他社の製品がいいです」とはっきり伝えることも手です。そうすることで、顧客はなぜそれを自信満々に言うのか気になります。そこで、他社にない優位性を伝え価格に納得していただくよう営業をかけることで、成約に繋がりやすくなります

もっと性能がいいものはないか

より良いものを選択したいと思う人も多いでしょう。
この場合に関しては、お客様が営業している商品の専門家などでない場合は、良し悪しが全くわからない顧客も多いでしょう。
そのため、この商品・サービスより条件に合っているものはないと断言することも有効的です。

ただ、信じられない人もいらっしゃるので、一番効果的なことは他者との比較表などを見せ、ここは他社製品がいいです、ただここは弊社の製品が良いと真実をつげ、さらに価格やサービスについてプラス面を伝えることで信頼され、成約に繋がりやすくなります

営業マンを信頼していいか

営業マンとの信頼関係を重んじる人もいます。
自分自身も良いと思ったものだからおすすめしていますとしっかり伝え、その上で相手の話を聞き共感することで、信頼関係を構築していきましょう。

ここは雑談をして、相手の気を引かないといけないと思われていますが、雑談は必要ありません。誠意を持って、相手に真剣に営業をすることが信頼をするに値するかどうか判断されるポイントになります。

BANT条件

BANT条件とは、営業をしていく際にヒアリングを行うべき4つの条件です。
それぞれ、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Need (必要性)、Timeframe (導入の時期)の頭文字をとりBANT条件としています。

クロージングが失敗している際は、このBANTが揃っておらず商談をしている可能性が高いです。
しっかり、ヒアリングし把握をした上で、商談を行なっていきましょう。

Budget (予算)

予算の有無についてです。
まず、予算がなければ商談自体破綻してしまうので、実際の提示する金額分予算があるのか、その時期はいつ頃かといった点を把握する為にヒアリングを行います。

Authority(決裁権)

決裁権の有無についてです。
商談を行なっていく上で、その営業相手は決裁権をもっているかでアプローチが変わっていきます。ほとんどの場合、決裁権のない担当者である場合が多いのですが、その際でも誰が決裁権を持っているのかなどヒアリングを行います。

Need (必要性)

必要性の有無についてです。
この必要性は、だれが必要としているかが重要です。
例えば、決裁権のない担当者が必要性を感じていても、会社にとって必要でなければ、商談は成立しません。

ですので、営業相手の企業の課題・要望とこちらの提案をする商品・サービスが一致しているかどうかの確認をする必要があります。

Timeframe (導入の時期)

導入する時期が決まっているかどうかについてです。
ここに関しては、導入する時期だけでなく、決済承認までの期間などのスケジュール感を把握するためにヒアリングを行います。

最後に

クロージングは、営業活動において最重要なフェーズの一つです。

しっかりと、クロージングを行い契約締結をすることは、営業マンだけでなくお客様も気持ちよく締め括ることができます。

そのためには、テクニックも大事です。テクニックによって、やるべきことが明確化したら、ひたすら練習と実践を繰り返しましょう。そうすることで、経験則に基づき手持ちの武器を変えながら、臨機応変にクロージング・営業活動を行っていけるでしょう。

おすすめの記事